ハイブリッドシステムの故障
SAIはトヨタのハイブリッドモデルの代表作となるプリウスの次に作られたハイブリッド専用モデルで、プリウスがハッチバックセダンであるのに対してSAIは車格を一つ上げた大型ノッチバックセダンとして作られました。
その後、カムリやクラウンなどがハイブリッド化されてことでSAI自体の存在価値が無くなってしまいましたが、兄弟車として発売されているHS250hがあることから生産終了にならないで済んでいるようです。
このモデルはハイブリッド専用モデルですので当然ながら心臓部にはガソリンエンジンだけでなく、電気モーターを含めたハイブリッドシステムが搭載されています。
トヨタのハイブリッドモデルはTHS-IIと呼ばれるもので、いわゆるスプリット式と呼ばれるハイブリッドシステムの基本のようなものです。
THSは初代プリウスに始まり、2代目プリウスでTHS-IIへと進化しました。
その後、電気モーターに2段式のトランスミッションのようなものを追加したリダクション機構付きTHS-IIとなり、それが現在のTHS-IIの定番となっています。
SAIに搭載されているハイブリッドシステムはそのリダクション機構付きTHS-IIで優れた低燃費性能を発揮させているのですが、THS時代からあったトラブルは一向に減ることはなく、THS-II、リダクション機構付きTHS-IIとなった今でも、そしてSAIにもたくさんの故障事例が出ています。
一番多いのはハイブリッドバッテリーのトラブルで、容量は十分あるのにそれ以上充電することができなくなるというものです。
これはいわゆるバッテリーのメモリー効果というもので、SAIに搭載されているニッケル水素バッテリーで顕著に出る症状です。
この症状は簡単にいうと。充放電を繰り返していく中でバッテリーを完全に使いきるまで放電せずに充電をしてしまうということを繰り返すとバッテリーはその途中までの容量をバッテリー容量であると勘違いしてしまい、少しだけしか充電することができなくなったり、逆に少しだけしか放電することができなくなってしまうということになってしまうというものです。
これは特に短距離しか運転しないような方に多く出ているようで、修理としてはバッテリーを交換しなければなりません。
それからよくあるのがインバーターの発熱です。
インバーターは電気を直流から交流に変換するもので変換する際に熱を発生します。
通常であれば、その熱は冷却されて放熱されることになるのですが、品質のばらつきがあるのか、稀に異常ともいえるほどの熱を出すことがあり、その熱によってシステムはセーフモードに入ってしまい、走行することができなくなってしまいます。
これらのトラブルが突然起こることがほとんどなので場合のよっては路上で立ち往生などといったことにもなりかねません。
修理ですが、バッテリートラブルの場合はバッテリー交換をインバータートラブルの場合はバッテリーも含めてハイブリッドシステムの主要部品のほとんどを交換することになります。
バッテリー交換で約30万円ぐらい、ハイブリッドシステム主要部品全交換で50万円ぐらいとなります。
新車から5年以内、10万キロ以下であれば新車保証を使うことができますのですべて無償となります。
「修理か?買い替えか?どっちが正解なの??」
SAIが故障!修理か?買い替えか?迷う…
その問題の正解を詳しく教えます。
※故障してもいいと言う方は時間の無駄なので絶対見ないでください。
ボディ剛性からくる異音と違和感
このモデルは当時作られていたプリウスと同じような考えで作られていた車です。
とりあえずハイブリッドといっておけば売れるだろう、燃費が良いといえば売れるだろう、ならばそこにお金をつぎ込んで他の部分で節約するか・・・こんな感じで作られています。
とはいってもこういった車を買う人は見た目重視であることが多いため、エクステリア、インテリア、そして快適装備などにもお金をつぎ込まなくてはならないため、節約するところがない・・・ということで素人など決してわからない、プロでもそこそこの距離を乗らないとわからない、そして味覚のようにその人の感覚で受け方が違うとされるボディの部分で節約することになったわけです。
フレームやボディの構造は一見、丈夫そうに作られていて、衝突安全性などもそれなりのものを持っていますが、日常的な走行において、路面から受ける突き上げる力や横G、縦Gによってかかる力によって変形するボディを元に戻すことが難しい作りになっています。
それはフレーム構造とかサブメンバーの形状、数といったものもありますが、そうなる最大の理由は使われている鋼材の質と厚みです。
どんなものでもいい材料とそこそこの材料ではそこそこに材料の方が安く買えます。
一枚の板の厚みが厚いものと薄いものとでは薄いものの方が安く買えます。
この2つの金銭的なメリットをうまく利用したのがトヨタの車作り、SAIのボディ骨格なのです。
材質の質を下げ、鋼板などの厚みも薄くして、単価も量も安くなる方向で作られていて、それによって車一台のかかる生産コストを下げることができました。
当然ですがボディの剛性感は失われますので、それが人手に渡って乗り続けられるとそのそのその症状が顕著に出ることになります。
症状としては車がまっすぐ走らない、常に修正舵を与えなければならない、ちょっとしたわだちでもステアリングホイールが取られるなど、一見してアラインメントが狂っているかのような症状を示しますが、アライメントの調整を行っても一向に直りません。
これはボディが変形してしまい、4つのタイヤが設計上の正しい位置からずれてしまうからおこっています。
最初はわずかですので気が付きませんがそのずれが大きくなってくるとそういった症状となって表れてきます。
それからキャビン内のあちらこちらからゴトゴトとかギシギシとかキュッキュッといったような音が聞こえてくるという症状、これはいろいろな部品が固定されているボディが変形することで、取り付け穴の位置がずれたり、部品自体の位置がずれたりすることでお互いが干渉してしまうことから音が出てしまいます。
どちらにしても走行距離が進むにつれてボディの変形が著しくなり、それによる様々な弊害が出てくるのもこのモデルならでは、トヨタの車ならではトラブルと考えられるでしょう。
修理はできません。
フレーム修正機で一時的に直すことはできますが、基本設計が軟なつくりとなっていることからまたすぐに戻ってしまいますのでやるだけ無駄ということです。
パワーウィンドウ故障
これはSAIだけでなく、兄弟車のHS250hや同じ部品を使って作られているGSやLSなどでも発生している事例です。
症状としてはパワーウィンドウスイッチを押してウィンドウを閉じようとしても途中で一度止まってしまうというものです。
質が悪いことに毎回その症状が出るのではなく、出る時と出ない時があり、だいたいそういった症状を持つトラブルというのはディーラーなどに持ち込むとその症状が出なかったりすることが多いのでトラブルシューティングにも時間がかかるわけです。
がしかし、このトラブルは数多くのトヨタ車に出ているので対応はスピーディーで修理に関しても基本はクレーム処理ということで無料になることが多いようです。
原因はパワーウィンドウのシステムの欠陥、このパワーウィンドウには挟み込み検知機能がついているのですが、それは何のセンサーがついているといったこと検知するのではなく、パワーウィンドウモーターがどのくらいガラスを持ち上げたのかということで検知するようになっています。
電気モーターの回転数によってガラスの位置を検知しているということですが、時々電気モーターの作りが悪いものがあって、ガラスの移動距離を検知することができなくなり、移動距離そのものを間違って捉えてしまうため、ガラスの位置がわからなくなり途中で止まってしまうことがあるようなのです。
これはパワーウィンドウモーターの欠陥ですので、それを交換すれば簡単に直すことができます。
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