オイル上りを起こすダイハツ製エンジン
ヴィッツのセダンモデルとして作られているマイナーモデルのベルタには1リッターエンジンモデルと1.3リッターエンジンモデルが用意されています。
1リッターエンジンモデルには1KR-FE型エンジンが、1.3リッターエンジンモデルには2SZ-FE型えんじんがとうさいされているのですが、実はこの2つのエンジンはどちらもトヨタ製ではなく、トヨタの子会社であり、トヨタグループの小型モデル・軽自動車専門の自動車メーカーであるダイハツで作られたエンジンなのです。
いまもそうですが当時のダイハツ製のエンジンはトラブルの宝庫といわれるほど故障が多かったのですが、中でも1.3リッターエンジンモデルに搭載されているも2SZ-FE型エンジンはオイル上がりを必ず引き起こすといわれるぐらいの駄作エンジンと呼ばれています。
オイル上りというのは簡単に言えばクランクケース内にあるエンジンオイルがシリンダー内に入って混合気と一緒に燃焼されてしまうもので、オイルが燃焼されることで真っ白な排気ガスを吐くようになったり、エンジンオイルが湯水のごとく使われてしまうのでどんどん減ってしまいます。
クランクケース内のエンジンオイルがシリンダー内に入ってしまうといっても何も直接バシャバシャと入ってしまうわけではなく、ピストンが上がって上死点に行った時にシリンダー内壁を潤滑するために撒かれたエンジンオイルが通常ではピストンにつけられているピストンリングのオイルリングによってかき取られることになって再度クランクケース内に戻るので、大量に入り込むことにはなりません。
しかし、2SZ-FE型エンジンではこのピストンリングのオイルリングの作りが悪く、ピストンが下がってくるときにシリンダー内壁に付いたエンジンオイルを大量に残してしまうため、それがシリンダー内側に残って事実上、シリンダー内部に入り込んでしまう形になってしまうのです。
根本的な原因はオイルリングの構造的な欠陥とクリアランスの不良ということになり、修理としてはピストンとピストンリングを交換します。
修理費用ですがこのトラブルは既知のもので、同じエンジンのもので多発していることからサービスキャンペーンとして扱われていて、費用はすべて無償となります。
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ボディ剛性からくる異音
このモデルに乗る方が必ず一度は気にするのがボディからの異音です。
異音といっても機械的なトラブルからくる異音ではなく大衆車ならでは理由からくる異音です。
ベルタはいわゆるヴィッツのセダンモデルで、位置的にはカローラアクシオの下のクラスとなります。
カローラアクシオは大衆中型セダンであるのなら、このベルタは大衆小型セダンで、価格も安くしなければなりませんし、大衆車らしく何でも無難にこなさなければなりませんので、他のモデル以上に生産コストを下げなければならないわけです。
とはいっても目に見える部分でコスト削減をして必要以上にチープにしてしまっては売れなくなってしまいますのでそれはそこそこに抑えておいて身に見えない部分、一般の方がわかりにくい部分でコスト削減をしなければなりません。
そこでトヨタが取った方法がすでにいろいろなモデルで行われているボディやフレームに使われている部品の低価格化です。
まず1つにボディやフレームに使われる鋼材の質を落としました。
鉄といってもいろいろな種類があって、いろいろなランクがあるわけで、質のいいものは丈夫で頑強であるわけですが単価が高くなり、質の悪いものは単価は安くなりますが強度を保つののそれ相当の厚みが必要となります。
トヨタはこのベルタを作る時にコスト削減のために安くて質の悪い鋼材を選びました。
そしてもう1つ、ボディやフレームに使う鋼材や鋼板の厚みを薄くしたり、必要最低限の強度が確保できる分だけのフレームしか使わなくしました。
厚みを薄くしたり、フレーム自体の構造を簡素化することで1台の車に使う鋼材の量を極端に少なくすることができるため、材料の仕入れ量を減らすことができるわけです。
この2つの方法をとって人に目にはつかない、素人にはわからないフレームやボディの部分で大幅に生産コストを下げることができたわけです・・・しかし、こういった方法をとったために失われたものがあります。
それがボディ剛性です。
ボディ剛性はボディやフレームが如何に変形しないで済むかというもので、スポーツモデルでは走行性能を左右する一つの要素として見られています。
ベルタはスポーツモデルではなく大衆車ですが、もちろんボディ剛性が高い方がいいわけですが、このベルタ・・・といいますか最近のトヨタの車全体に言えることなのですが、ボディ剛性がすこぶる低くなっているのです。
そのボディ剛性の弱さから出てくるトラブルがボディからの異音で、それはボディが路面からに付きあげで大きくゆがむこと、それからその歪みが直らず、歪んだままになっていることが原因です。
平坦なところを走っていてもリヤ周りから絶えずカチカチといった音がしたり、エンジンルームとキャビンとの間のバルクヘッドあたりからカタカタという音が聞こえたり、ちょっとでも道の悪いところを走ったり、段差などを乗り越えたりしただけでボディ全体からギシギシ、バキンといった大きな音が聞こえてきます。
この症状は走行距離が進めば進むほどひどくなりますが、早いものでは5000kmぐらい走ったあたりから聞こえるようになることもあるそうです。
これらの症状はボディやフレームの剛性が足らないことから起こっていることですので、なおす方法も再発を防ぐ方法もありません。
一番いいのはトヨタ以外の車に乗ることです。
エアコンを入れてもアイドルアップしない
大衆車においても最近はエアコンの装備が当たり前となりましたが、ベルタではこのエアコンを掛けた時に正しい制御が行われないというトラブルがよく出ているようです。
そのトラブルの内容とは、冷房を入れようとしてエアコンのスイッチを入れると、普通はカチンとエアコンコンプレッサーのマグネットクラッチの音がした後にアイドリングが少し高くなるものですが、ベルタではエアコンコンプレッサーのマグネットクラッチの音も消えますし、出てくる風も冷たくなるのですが、アイドリングが高くならない、アイドリングが不安定になるという症状が出ます。
エアコンを入れた時にアイドリングが高くなるのはエアコンコンプレッサーを回すのにそこそこパワーが必要で、エンジンに負担がかかることから自動的に少し回転数を上げて、エアコンコンプレッサーを回す力にしましょうということで行われています。
いわゆるアイドルアップというものです。
ベルタではこのアイドルアップをスロットルボディにつけられているISCVというバルブで行っています。
そのバルブは電気信号で開閉するようになっていて、スロットルバルブ内のローターを回すことで行います。
そのローターが長い間乗り続けていることでたまるスラッジで動きが悪くなってしまうことがあり、エアコンを入れてアイドルアップの信号がきても動きが鈍い、または完全に固着してしまっているということからアイドルアップさせることができず、エアコンコンプレッサーの負荷によってアイドリングの回転数が低くなり、不安定にもなってしまうのです。
修理は固着したスロットルバルブのローターをクリーニングします。
相当汚れがひどい場合は5万円ぐらいかけて交換することになりますが、だいたいの場合は2万円ぐらいかけてクリーニングすれば直すことができるでしょう。
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