KF型エンジン特有のトラブル
ピクシスエポックはトヨタの軽自動車として発売されていますが、このモデルはトヨタの子会社であるダイハツの軽自動車、ミライースのOEMモデルで、バッジエンジニアリングのOEMモデルですので何もかもミライースと同じく作りになっています。
当然ながらエンジンもミライースとまったく同じダイハツ製のKF-VE型エンジンが搭載されているわけですが、このエンジンは現在のダイハツの軽自動車用エンジンの主力エンジンとなっているぐらいメジャーなエンジンながら、このエンジンならではの特有のトラブルがあります。
その1つがタイミングチェーンの伸びが激しいことです。
KF-VEエンジンではメンテナンスが楽なタイミングチェーンが採用されているのですが、このタイミングチェーンの作りが悪く、思った以上に早い段階で伸びてしまうことがわかっています。
当然ながらチェーンテンショナーがついているので多少の伸びは受け入れることができますが、チェーンテンショナーの許容範囲を超えるほどの伸びを見せるのでそれがエンジンの不調につながってしまうのです。
タイミングチェーンが伸びすぎるとバルブタイミングが狂うのでアイドリング回転数が不安定になったり、パワーが落ちたり、加速する際に息継ぎするようになったり、エンジンが高回転まで回すことができなくなったりします。
酷い場合では完全にバルブタイミングが狂ってしまい、バルブとピストンの頭が干渉してバルブが曲がってしまう場合もあるようです。
こういった症状が出た場合、タイミングチェーンの交換やチェーンテンショナーの交換などを行わなければなりません。
費用は幅がありますが、タイミングチェーンの交換でだいたい15万円ぐらい、チェーンテンショナーの交換も含めてだいたい20万円ぐらい、バルブにまで損傷が及んだ場合は30万円以上の修理費用が掛かってしまうでしょう。
それからKF-VEで非常の多いのがエンジンオイル漏れです。
漏れる場所は、ヘッドカバーやシリンダーブロックとシリンダーヘッドの間からでどうやらその間に入れられているガスケットの耐久性があまり高くなく、普通に乗っていてもそれなりの距離を走るとガスケットがちぎれて、そこからエンジンオイルが漏れてくるようになります。
修理はシリンダーヘッドを外してガスケットの交換をすれば直すことができます。
費用もそれほど高くなく、ガスケット代を含めても3万円もあれば直すことができるでしょう。
それからもう1か所、エンジンオイルがよく漏れる場所があります。
それがクランクシャフトからです。
クランクケースの両側にあるクランクシャフトを支えている部分につけられているクランクシャフトシールの劣化によってエンジンオイル漏れが多く、ベルト側であれば表に漏れますが、トランスミッション側ですとCVTケースの中に漏れだすので発見が遅れます。
この場合はエンジンを降ろしてクランクシャフトシールのうち替えをしなければなりませんので、片側で最低でも5万円以上の費用が掛かるでしょう。
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不思議なトラブル
ピクシスエポックはダイハツのミライースですのでいろいろな低燃費装備が付けられています。
いわゆるイーステクノロジーというものですが、ピクシスエポックにつけられている低燃費装備のなかのでメインとなるのがアイドリングストップ機構のエコアイドルです。
ブレーキペダルを踏み、減速していった時にある一定のスピードになるとエンジンを停止して、停車中の無駄なガソリン消費を防ぎ、ブレーキペダルを放すなどのアクションを起こすことで自動的にエンジンを始動して走行することができるようにするというものですが、この機能は思ったより複雑な制御されていて、他の機能とも強調している部分もあるため、いろいろとトラブルも起きています。
その1つにちょっと不思議な現象があります。
エンジンを掛けようとしてイグニッションをオンにしてもスターターモーターすら回らず、エンジン警告灯がついてしまうというものです。
ただこれだけでしたらいろいろな原因が考えられます。
たとえばバッテリーとか、点火系とか、スターターモーターの故障とか、スターターモータースイッチの故障などもっとたくさんの原因が考えられます。
しかし、この車の場合はこの症状が出る時もあれば出ない時もあるという不安定なもので更に症状が出るパターンが全く分からないということでどうすることもできないのです。
ただ一つだけ、面白いことにアイドリングストップ機構のエコアイドルのスイッチをオフにするとそれまで全くエンジンがかからなかったものが急にかかるようになるということがあります。
これはトヨタでもダイハツでも原因不明のトラブルとなっていて、現状でもエンジンがかからなかったらエコアイドルのスイッチをオフにすればエンジンをかけることができますので、それで対処するしかないといった状態になっています。
スパークプラグによる失火
ピクシスエポックはミライースですのでこの車の目的もただ単に燃費性能を向上させるだけに過ぎません。
そのためイーステクノロジーという低燃費装備がたくさんつけられているのですが、そういったものも重要ですがやはりエンジン単体での燃費性能の方が大事です。
ピクシスエポックに搭載されているエンジンはダイハツ製のKF-VE型エンジン、いわゆる低燃費型エンジンと呼ばれるものが搭載されています。
このエンジンはガソリン消費量を抑えるためにリーンな混合気を使った燃焼をするように作られており、希薄燃料でも確実に燃焼できるようにと圧縮比が高めになっています。
それによってエンジン単体での燃費もかなりいいのですが、その代わりの耐久性を失ってしまいました。
一番影響が強く出ているのがスパークプラグで高い圧力の中で強い火花を飛ばしているため、劣化がものすごく早いのです。
もともとスパークプラグは消耗品のようなものでずっと同じものをつけっぱなしにするというものではありませんから、定期的に交換することが当たり前なのですが、ピクシスエポックやミライースでは一般的によく言われる交換サイクルでは遅いようです。
標準で耐久性の高いイリジウムプラグが採用されていますが、劣化がとにかく早いためにイリジウムプラグでも交換をまめにしないとエンジントラブルに繋がってしまいます。
スパークプラグの劣化によって起こるトラブルとしてよくあるのがエンジン始動困難です。
KF-VE型エンジンは3気筒エンジンですのでたった一つのスパークプラグが劣化して、正常な火花を飛ばすことができず、失火状態を作ってしまうだけで、エンジンをかけることができません。
仮にかかったとしてもすぐに止まってしまうでしょう。
エンジンがかからない、これは大事だ・・・といってエンジンの隅々まで点検したがどこが同悪いのか分からない、最後に念のためスパークプラグを交換してみたらすぐにエンジンがかかったなどといった感じで直ってしまうこともよくある話です。
スパークプラグが原因がエンジンがかからないというのであれば、修理としてはスパークプラグを交換することになります。
一本、3000円ぐらいでスパークプラグを購入して自分で交換すれば、すべて交換したとしても1万円もあれば直すことができます。
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