リヤデフからオイルが漏れる
既に販売を終了しているトヨタのピクシススペース・・・といってもトヨタの子会社であるダイハツが作っていて超不人気モデル、ムーヴコンテのOEMモデルです。
全く何も手を加えられていない形で発売されているので構造やデザインも全く同じということはトラブル事例などムーヴコンテと全く同じと考えていいでしょう。
そもそもこの車をトヨタの車として考えてはいけません、あくまでもダイハツの車、トヨタグループの小型車部門であるダイハツが作った車として意識して考える必要があるでしょう。
さて、そのムーヴコンテいや、ピクシススペースにおいて過去に発表されたサービスキャンペーンにリヤデファレンシャルギヤからのデフオイル漏れというものがあります。
デフオイルが漏れるというトラブルはいろいろなモデルで起こるものですからエンジンオイル漏れと同じようにさりとて珍しいことではありませんが、このサービスキャンペーンはリヤデフでの話で、フロントデフではありません。
ピクシススペースはFFモデルですから駆動輪は前輪です。
ということはデファレンシャルギヤも前輪しかついていないのであり得ないのでは?・・・などと思ってしまうかもしれませんがピクシススペースにはベースモデルであるムーヴと同様に4WDモデルが存在して、リヤデファレンシャルギヤを持つモデルもあるのです。
この4WDモデルに搭載されている4WDシステムはスタンバイ式とよばれるもので、いわゆる生活四駆と呼ばれるシステムです。
オフロードをガンガン走るクロスカントリー4WDモデルにつけられるパートタイム4WDや強烈なトラクションを得るためのスポーツモデルなどにつけられるスポーツ4WDとは違って、主な目的は生活の中で時々出会う雪道や泥道などに対応するためのものです。
言うなれば、一時しのぎのものでトラクション性能もたいして高くはなく、FFよりはましといった感じです。
構造的にもトランスミッションからトランスファー、プロペラシャフトを介してリヤデファレンシャルギヤといったごく普通の構造を持ちますが、リヤタイヤに駆動力がかかるのはフロントタイヤが空転した時だけで、能動的に4WD状態にするということはできません。
とはいっても4WDモデルである以上、FF状態でもリヤタイヤの回転でリヤデファレンシャルギヤを回されることになり、常に負担がかかっている状態となります。
このリヤデファレンシャルギヤで何が起きているかというと公式発表では難しい言い方をしていますが、要するにデファレンシャルギヤのトラブルで多い、プロペラシャフト、ドライブシャフトの出口につけられているオイルシールの作りが悪く、巣に傷んでしまい、そこから内部に封入されているデフオイルが漏れてきてしまうというものです。
先ほども言いました通り、4WD状態でなくても強制的に回される部分ですので常に負担がかかりますので漏れる量はかなりのものとなります。
この部分のオイルが漏れてなくなると固着、異音、振動、走行不能状態といった状態になります。
修理としてはリヤデファレンシャルギヤの交換、オイルシールの交換などを行いますが、サービスキャンペーンですので費用は全く掛かりません。
「修理か?買い替えか?どっちが正解なの??」
ピクシススペースが故障!修理か?買い替えか?迷う…
その問題の正解を詳しく教えます。
※故障してもいいと言う方は時間の無駄なので絶対見ないでください。
トルクコンバーター破損で走行不能
今度はリコールです。
ピクシススペースはダイハツのムーヴをベースにして作られたムーヴコンテですので設定されているトランスミッションはCVTとなります。
そしてクラッチの代わりとしてオートマチックトランスミッションなどにも使われているトルクコンバーターも採用されているわけですが、このトルクコンバーターに不具合があってそれによるリコールが出ています。
トルクコンバーターはミッションオイルを使って制御される非接触型のクラッチ機構で、オイルで満たされたケースの中にエンジン側のシャフトとトランスミッション側のシャフトのそれぞれにつけられたインペラーと呼ばれる羽根のようなもので構成されているものです。
エンジン側のシャフトにつけられたインペラーが回る封入されているミッションオイルに動きが生じ、その動きによって直接接触していないトランスミッション側にインペラーも回り始めるといった原理でエンジンの動力をトランスミッションに伝えています。
もちろん液体でつながっているだけですので、車が停止状態でも内部で空転するだけですからエンジンが止まることはなく、アイドリングを続けることができるのです。
これがトルクコンバーターの基本中の基本となる部分ですが、こうしてみるとトルクコンバーターには回転する部分があることがわかります。
回転する部分にはスムーズな回転をさせるために、ボールベアリングというものが入れられているのですが、ピクシススペースに採用されているダイハツ製のトルクコンバーターではこのボールベアリングの作りが悪かったようで、走行中に突然そのボールベアリングが壊れてしまい、内部の金属製のボールがトルクコンバーターのケース内にぶち撒かれてしまうのです。
そうなるとまともな回転を保つことができませんので異音や振動が発生したり、金属製のボールによって回転そのものが阻害されることによって、エンジンストップなどが起こることもあります。
停止中に起こるのであれば、特にこれといって人的被害が出るわけではありませんのでまだましですが、走行中にいきなり発生する可能性もありますので、突然エンジンが止まりフロントタイヤがロックされたなどといった状態になってしまったら事故を起こしてしまうかもしれません。
ということで危険性が高いということからリコールです。
対策整備はすべて無償でトルクコンバーターを対策品に交換します。
既にトルクコンバーターが破損していてそれによって他の部分に損傷がある場合はその部分の修理費用も無償となります。
バックできなくなる
こちらは無償修理です。
ピクシススペースはムーヴコンテそのものですのでトランスミッションとしてCVTが搭載されています。
CVTはベルト駆動式のいわゆる無段変速機で2つのプーリーにベルトがかけられていて、そのベルトがかかるプーリーの有効径をプーリー内側の幅で調整することによって、段の無い変速ができるようになるわけです。
しかし、ある一つの走行パターンだけはその構造だけでは実現することができません。
その走行パターンというがバック、後退です。
例えばオートマチックトランスミッションの1速から5速までをCVTの無段階変速でまかなうことは簡単で、それらのギヤに対応することができる径をもったプーリーを用意すればいいだけですので、何の問題もありませんが、バックだけはアウトプットシャフトの回転方向が逆になるのでどうすることもできないわけです。
そこでバックだけは別のギヤ構造を用いて、クラッチで切り替える形をとっているわけですが、このピクシススペースに搭載されているCVTはどうやらそのクラッチの強度が弱いようで、頻繁にDレンジとRレンジを切り替えるとか、長い距離をバックで走るようなことをするとクラッチが壊れてしまい、Rレンジに入れることができなくなってしまうことがあるようなのです。
トヨタではこの部分に故障が出た場合は無償修理、そして全てにおいて保証期間を10年に延長することにしました。
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