ボディ剛性不足によるトラブル
ラウムはコンパクトトールワゴンとして作られていますが、珍しいことに両側スライドドアとなっています。
更に面白いのが、2代目モデルのスライドドア、このモデルの左側スライドドアにはミラクルオープンドアという構造が採用されています。
この構造は現在でもアイシスや子会社であるダイハツのタントなどに採用されていますが、要するにBピラーをボディ側から取り外してスライドドア側に移動させて、助手席のヒンジドアと左からスライドドアを開けた時にBピラーがない状態、柱がない状態にしましょうというものです。
確かに両方のドアを開けてピラーがないのは開放感がありますが、メリットとなるのはたったそれだけで、走行中やヒンジドアだけ、スライドドアだけを開けた時には全く何の恩恵もないのです。
そればかりか逆にデメリットの方が非常に大きな影響を与えており、自動車の根幹にかかわる部分にまで大ダメージを与えることになってしまいました。
そのダメージというのがボディ剛性の欠如です。
これは現在でもタントやアイシスで騒がれているのですが、助手席側のBピラー、助手席ヒンジドアと左側スライドドアの間にあるピラーをボディの一部とするのではなく、スライドドア側に取り付けることで、ボディ側とBピラーの結合力が弱くなり、この車に最低限必要なボディ剛性を保つことができないのです。
もちろんスライドドアが閉まっていれば、Bピラーの上下がボディと接触することで縦方向の力を支えることはできますが、いわゆる可動式であるわけですから、スライドドアの開け閉めをするために隙間があけられているわけですし、スライドドア自体が手でもグラグラ動かすことができるぐらいの固定しかされていませんので、通常のBピラーとおなじ強度や剛性感を持たすことができないのです。
この仕組みが採用されているのは左側スライドドアだけで、右側は通常通りのボディと一体型のBピラーを持っていますので、ボディの歪みを左右均等に支えることできなくなり、それが長年繰り返されることでボディが大きく捻じれていってしまうのです。
そのねじれから発生するのがボディから異音と開口部の立て付けの悪さです。
ラウムといえば2011年に生産が終了したモデルですので現在、走っているラムウは全体的に老朽化が進んでいます。
もちろんミラクルオープンドアによるボディの歪みを大きく受けていて、ボディやフレームがジョン上ではない形状になっているわけですが、ボディやフレームが変形することで設計段階では想像することができないように部品同士の干渉やボディへの部品取り付けボルトやクリップなどにかかる大きな負担によってボディのあちこちからいろいろな音が聞こえてくるようになるわけです。
特に多いのが左側スライドドアとリヤハッチ周りから聞こえてくるガタガタ・ゴトンゴトンといった重たい音、どこともつかないボディのインテリアパネルなどからのキュッキュッ、キリキリといったような気になるような音です。
酷い場合ですと音だけでなく、それが振動となってステアリングホイールにまで伝わってくることもあります。
もちろん、すべてのドア、ハッチは開閉が重たくなったり、かなり力を入れて閉めないと半ドアになってしまうことも多々あるようです。
これらのトラブルはこの車の基本的な部分、開発設計に問題があることから起こっているものですので解決方法はなく、するとしたらそれぞれの症状に対して行うことになります。
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ABS・TRC警告灯の点灯
ラウムは2代目モデルなって安全装備が充実しました。
初代モデルにも付けられていたABSも前後のブレーキ配分を自動調整してくれるEDB機能付になり、更に横滑り防止装置としてVSCやTRCも追加されました。
これらの装備は当時の安全装備としては最先端を行くものだったのですが、これらの装備を付けたことによって新たなトラブル発生事例を作ってしまいました。
症状としては走行中に突然、メーターパネル内にあるABS警告灯、TRC警告灯が点灯して舞うというものです。
警告灯が点灯してもそれ以外に何か起こることはありませんが、警告灯が点灯しているということはその部分がセーフモードに張っていることにもなりますので、現状で何もなくてもABSやTRCが機能する状況になっても機能してくれないでしょう。
それ以前にメーターパネル内にこうこうと警告灯が点灯しているのはうっとうしいですし、精神的にあまりよろしくありません。
ABSはアンチロックブレーキシステムでブレーキング時にタイヤのロックを検知したらそのタイヤだけのブレーキを弱くしてロックさせないようにするもの、TRCはトラクションコントロールで発進時や加速時に駆動輪が空転しないようにスロットル開度やブレーキの介入などをするものですが、どちらも制御にブレーキペダルの踏み具合を1つのデータとして使用しています。
それを知るためにつけられているのがブレーキペダルセンサーというものでブレーキペダルが今どれくらいまで踏まれているのかということを得るための電子部品です。
ブレーキペダルにはブレーキスイッチというものがついていますが、それはブレーキペダルを踏んでいるのかいないのかといったことだけしか知ることができず、主にブレーキランプのスイッチとして、あるいはオートマチックトランスミッションのシフトロックの解除スイッチとして使われるだけで、ブレーキペダルの踏んだ量まではわかりません。
実はこのブレーキペダルセンサーが壊れやすいようで、ここが壊れたことでブレーキペダルの踏んでいる量をしることができなくなったことからエラー表示として警告灯を点灯させたわけです。
修理は簡単、ブレーキペダルセンサーを交換します。
費用としては部品代がだいたい15000円ぐらい、工賃が2000円ぐらいとなります。
パワースライドドアが開かない
ラウムにはパワースライドドアが設定されているグレードが用意されていますが、そのパワースライドドア装着車でよく起こっているトラブルがスライドドア全閉状態からパワーアシストで開けることができなくなるというものです。
パワースライドドアはスイッチ一つ、ドアハンドルの操作ひとつで簡単に開閉させることができる便利な機能で、開く動作だけを見ればドアロックの解除、ドアストライカーの解除、電気モーターによるドアのオープンを自動的にやってくれます。
しかし、ラムウではミラクルオープンドアによるボディの変形からスライドドア自体の立て付けが悪くなるものが多く、スライドドアの前側、後ろ側につけられているドアロック、要するにドアストライカーが硬くなっている場合があり、手で開ける時にもかなり力を入れてドアハンドルを操作しないと開けることができないこともあるぐらいです。
そういった状態で電気モーターの力でロックの解除、ドアオープンをさせるのは相当力がいるということで開けることができない場合が出てきてもおかしくありません。
それが今回のトラブルであって、立て付けが悪くなったスライドドアを直すのと同時にパワースライドドアドアロックも変な力が加わり続けたことによって固着してしまっていますのでそれも対策品に交換する形で直します。
修理費用はパワースライドドアドアロックアッセンブリーがだいたい2万円ぐらい、それに工賃を追加してだいたい3万円ぐらいはかかることでしょう。
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