エンジンオイル交換でオイルパン破損
三菱の軽自動車、アイは他の軽自動車と全く違う構造を持つ特徴的な車です。
通常、軽自動車はフロントエンジンフロントドライブといったFFレイアウトを持ちますが、アイはミッドシップレイアウトでリヤアクスルの直前にエンジンを置き、リヤタイヤで駆動しています。
そのため、あちこちFFレイアウトの軽自動車とは違う構造、違う部品が与えられておりプロでも整備や修理に困ることがあります。
その1つがエンジンの一番下につけられることになるオイルパン、エンジンオイルの受け皿となる部品ですが、軽自動車ですと強度やコストの問題でプレス加工で作られた鉄製のオイルパンが採用されることが多いのですが、このアイではエンジンのレイアウトや軽量化を考えてアルミ製のオイルパンが採用されているのです。
ご存じの通り、アルミ合金は鉄と比べると同じ質量でも軽いですが強度ないため、力の加わるところにはあまり使われません。
オイルパンは基本的にはエンジンオイルの受け皿であって特に大きな力とか負担がかかる場所ではないので強度にないアルミ合金製のオイルパンでも十分といってしまえば十分です。
しかし、それは日常的な部分での話でこれが整備上ということになると話が大きく変わってきます。
オイルパンにはエンジンオイルを抜くためにあるドレンボルトというものが付けられています。
これは単なる太めのボルトとその間に入れられる銅製のワッシャーで構成されている単純な栓なのですが、構造的に金属同士を密着させて液体のエンジンオイルが漏れないようにしなければならないので、パッキンの役割として銅ワッシャーを挟み、ボルトの締め付ける力でその銅ワッシャーを押しつぶして、オイルパンとドレンボルトの隙間を埋めようとする形で付けられています。
ということはエンジンオイルを交換するためにドレンボルトをあえてエンジンオイルを抜いた後に新しい銅ワッシャーを入れた後にそれなりの力でドレンボルトを閉めなければならないということです。
アルミ合金製の部品に過度な力を入れるのはその部品の破損を招くことですので、三菱が発行する整備書には破損しないできちんと絞めつけることができる最適な力である、ドレンボルトの規定締め付けトルクが書かれており、ディーラーなどではその指示通りにトルクレンチを使ってきちんとドレンボルトの取り付けを行いますので大丈夫なのですが、一般的な整備工場やカー用品店のピットサービスなどでエンジンオイルの交換をお願いすると規定締め付けトルクなど無視をして、メカニックの勘や鉄製オイルパンで用いる締め付けトルクでドレンボルトをしめつけてしますことがあるのです。
これをやられてしまうとアルミ製オイルパンはひとたまりもありません。
ネジ山が切れてしまったり、ガタが出閉まったり、ドレンの穴に無理は力が加わったことで小名から大きな亀裂が入ってしまうことあります。
そうなると内部にあるエンジンオイルが漏れて始めてくるわけですが、困ったことに新しいエンジンオイルを入れた後しばらくは何ともないのですが、少し走った後などオイルパンに振動や熱がかかった時に漏れ始めるということが多いのです。
これによって交換時はなんともないが家に持って帰ってみたらエンジンオイルがぽたぽたと垂れていたなどといったことになってしまいます。
こういった状態になったらオイルパンを交換しなければなりません。
修理費用としては新品オイルパンがだいたい15000円ぐらい工賃が1万円ぐらい、エンジンオイルが3000円ぐらいとだいたい3万円ぐらいのお金がかかります。
ただ、場合によっては完全に無料になることがあります。
それはオイル交換をディーラーでしか行っていない場合です。
ディーラーでオイル交換を行ったということは整備書に書かれた正しい方法でドレンボルトの締め付けも行われているということになり、正しい方法で行われているのにオイルパンがねじ切れてしまったり、ひびが入ってしまったということはオイルパンの作りが悪かったのか、メカニックの技術が悪いといったディーラー側の責任となるわけです。
そこで責任ととって費用はディーラー持ちということになるわけです。
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アイの持病、ステアリングのガタ
アイはミッドシップレイアウトを持つ軽自動車ということで他とはちょっと違う構造を持ちますが、ステアリングに関する部分はFFだろうがミッドシップレイアウトであろうが基本的には全く同じです。
構造的にはラック&ピニオン式電動パワーステアリングというもので、ステアリングホイールの回転をピニオンギヤの回転とし、それを直線状となったラックギヤにのせることで、ピニオンギヤの回転を左右方向の動きに変換するラック&ピニオン式に、電気モーターによるアシスト構造をつけた形となります。
アイはミッドシップレイアウトですのでFFレイアウトを持つ一般的な軽自動車よりはステアリング構造にかかる負担が少なくなります。
その理由は重たいエンジンが後ろにあるからです。
FFレイアウトはエンジンもドライブトレーンも全てフロントアクスルの真上におかれていますので、それらの重量がまともにフロントアクスルにかかってしまい、その状態で無理やりタイヤの方向を変えようとするステアリング構造には強い負担がかかります。
特に軽自動車や自転車代わりに乗られることが多く、ステリングホイール据え切りなど日常的に行われているので負担も増大します。
その点、エンジンもトランスミッションもドライブトレーンも全てリヤアクスルにあるアイは重量的な負担があまりないので壊れにくいといっていいでしょう。
しかし、実際には違うようで、アイのステアリング構造には持病みたいなものがあるのです
それがステアリングラックのガタです。
ステアリングラックとはピニオンギヤやラックギヤが組み合わされたギヤボックスと電動パワーステアリング機構が一体になった部分のことを言いますが、この中にラックギヤとピニオンギヤは入れられています。
内部ではステアリングホイールに直結したピニオンギアがラックギヤに噛み合って左右に動く形になっていますが、その左右に動くラックギヤを支える部分にガタが出やすいようで、据え切りをしたり、走行中に段差を超えたり、横Gが強く掛かるようなコーナーリングをした時などのフロント周りから、「ゴツッ」とか「コクン」といった音がするようになってしまいます。
この症状はステアリングラックケース内とラックギヤのクリアランスが摩耗によって大きくなることでおこります。
ですので、そのクリアランスを調整して揚場直すことができるわけです。
幸いにもこのステアリングラックには調整用のボルトがついていますのでそれをねじ込んだり、緩めたりして最適な位置を見つければ異音はおさまります。
この作業はある程度整備に知識があればDIYでも可能ですので、その場合は無料で直すことができるでしょう。
ディーラーのお願いしても短時間の工賃だけしかかかりませんので数千円で済みます。
ただし、調整でもどうにもあらないぐらいに摩耗している時はステアリングラックごとそっくり交換となり、新品部品を使った修理で15万円ぐらいかかります。
ステアリングラックは中古パーツも出回っていますが摩耗が激しい部分ですので使わない方がいいでしょう。
ブースト圧が上がらない
アイにはターボエンジンモデルが用意されていますが、そのモデルでよく聞くトラブルがブースト圧が上がらないというものです。
市販車のターボチャージャーはコンプレッサー側やサージタンクの圧力によって機能するアクチュエーターの動きでブースト圧を調整しているのですが、アイではそのアクチュエーターの位置が悪いせいか錆びやすいようで、アクチュエーターのシャフトが固着してしまうことがあるのです。
だいたいの場合はウェイストゲートが開いた状態、要するに最大ブースト圧に達してこれ以上ブースト圧が上がらないようにしている状態で固まってしまうことが多いため、タービンブレードにあたる排気ガスがすべて迂回させられてしまうことでタービンが回らない、すなわちブースト圧が上がらないということになってしまいます。
修理としては軽症であればシャフト部にオイルを塗って動かしてあげると直ることもありますが、固着が頑固な場合はアクチュエーターを交換することになります。
費用は部品代、工賃あわせてだいたい2万円ぐらいとなります。
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