ステアリングホイールを回すと異音が出る
スズキのエブリィワゴンのOEMモデルとなるスクラムワゴン、このモデルにはエブリィワゴンと同じように4WDモデルならではトラブルが出ています。
その症状は走行中にステアリングホイールを回して大きく曲がろうとした時だけにフロント周りから出るキリキリとかカリカリといったような音が聞こえるというものです。
スクラムワゴンはエンジン縦置きのFRレイアウトを持つ車で、4WDモデルはプロペラシャフトの途中の位置につけられているセンターデフで自動的前後のトルク配分や前後のタイヤの回転さを吸収するようになっています。
基本は生活四駆ですので、リヤタイヤに滑りがない時は常に2WD状態であって、リヤタイヤどちらかが空転した時に初めてフロントタイヤにも駆動力が伝わるという仕組みを持ちます。
しかし、2WD状態になっていたとしてもクロスカントリー4WDモデルのようにフリーホイールハブがついているわけではないのでフロント駆動用のプロペラシャフトやドライブシャフトは常に回転しています。
実はエブリィワゴンやスクラムワゴンの4WDモデルでそのフロントアクスルにあるデファレンシャルギヤとドライブシャフトから異音がするトラブルが多発しているのです。
原因はオイルシールの劣化によるデフオイルが漏れてしまっていることからくデファレンシャルギヤ内の潤滑不足です。
ステアリングホイールを回すとドライブシャフトのユニバーサルジョイントが曲がることになりますが、その際にドライブシャフトがデファレンシャルギヤの方向に押されたり、逆に引っ張られたりすることがあります。
これは構造上多少は仕方がないことなのですが、それが長年繰り返されること、デファレンシャルギヤにドライブシャフトが刺さっている部分にあるオイルシールを強く押しつぶすことになってしまい、オイルシールのやくめをはたすことができないぐらい劣化してしまうのです。
オイルシールが劣化してしまえば、あと起こることといったらオイル漏れしかありません。
特にデファレンシャルギヤのデフオイルというのはそれほどたくさん入れられていませんので漏れ始めたら短期間で底をつきます。
底をつくと潤滑もままならない上に更にドライブシャフトからの攻撃が加わるため、異音を発生させてしまうのです。
修理はフロントのデファレンシャルギヤのオーバーホールと3カ所にあるオイルシールをすべて交換、そしてデフオイルも交換することで行います。
デフオイルが2000円ぐらい、オイルシールが1500円ぐらい、オーバーホールを含めて工賃が3万円ぐらいかかります。
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アイドリングが高くなりすぎる
4代目スクラムワゴンにはスズキの名機と呼ばれているK6A型エンジンが搭載されていますが、そのK6A型エンジン搭載されているモデルで走行距離を重ねたものでよく出るのがアイドリングが高くなってしまうというものです。
アイドリング回転数はどの車でもだいたい600rpmから800rpmの間であることが多いものですがこのトラブルが出たものは1000rpmを超え、1200rpmとか1500rpmといった高い回転数になってしまいます。
こうなる原因はPCVバルブの故障です。
PCVバルブとはブローバイガスをインテーク側に戻すために付けられるもので、スクラムワゴンではシリンダーヘッドカバーとクランクケースにつけられています。
今回悪さをしたのはシリンダーヘッドにつけれれている方で、シリンダーヘッドのものでは配管がシリンダーヘッドにつけられている部分のニップルに内蔵された形で付けられていて、それが正常に機能しないことから高いアイドリング回転数のなってしまったのです。
どうしてこのようなものがついているのかというとブローバイガスというものはピストンリングとシリンダーの内壁と隙間からわずかに漏れた生ガス、それからバルブステムシールなどからわずかに漏れた生ガスにエンジンオイルなどが混ざったものをそう呼びます。
このブローバイガスにはガソリンやエンジンオイルなどそのまま大気に放出してしまっては害になるものが含まれているので、ブローバイガスを大気開放にすることができません。
そこで、インテーク側に戻して新しい混合気と一緒に燃焼させてしまおうということで、シリンダーヘッドやクランクケースからホースを伸ばしてインテーク側に繋がるような配管をしたわけです。
しかし、アイドリングとか低回転状態のようにインテーク側の負圧が弱いとブローバイガス経路をエアーが逆流してしまいます。
それを避けるためにつけられているのがPCVバルブでワンウェイバルブの機能を持たせているため、シリンダーヘッドからインテーク側には流れますがその逆は流れないようしているわけです。
そのPCVバルブが壊れやすく、その多くが内部にある樹脂製のワンウェイバルブが劣化でちぎれてしまい、その破片がシリンダーヘッド内に入ってしまうことがあります。
そうなるとエアフローセンサーで計測して吸入空気量と違う量のエアーがエンジンに吸い込まれてしまうことでECUの補正もむなしく高いアイドリング回転数になってしまうのです。
PCVバルブを交換するだけであればたいした手間はかかりませんがシリンダーヘッド内に破片が落ちてしまったらシリンダーヘッドを開けなければなりません。
費用は部品代がだいたい3000円ぐらい、交換工賃が1000円ぐらいとなりますがシリンダーヘッドを開けた場合はシリンダーヘッドカバーパッキン代や別途工賃が掛かりますのでプラス5000円ぐらいとなるでしょう。
ターボチャージャーの焼き付き
軽自動車は660ccという非常に小さなエンジンしか積むことができないのでどうしても走りが悪くなってしまいます。
特にスクラムワゴンのような軽ワンボックスワゴンでは人数こそ4人までとなりますが、荷物をたくさん積むことができるのでどうしても重量が増えてしまい、エンジンにかかる負担が大きくなってしまいます。
そこで救世主となるのがターボチャージャーです。
排気ガスの力でタービンを回し、その同軸上につけられているコンプレッサーを回すことでエンジンに強制的にたくさんの空気とその空気に見合ったガソリンを押し込むことで660ccでは出せないパワーを発揮させることができます。
スクラムワゴンに搭載されているR06A型エンジンで比較してみるとターボチャージャーのないNAエンジンで最大52psであるところ、ターボチャージャー付きのエンジンでは64psを発揮させることができています。
しかしこのターボチャージャー、排気ガスにまともにさらされるため非常に高温になります。
その上、高回転で回る部分があるため軸受けを潤滑、冷却しなければなりません。
そこでエンジンオイルを引き込んでターボチャージャーの潤滑と冷却をさせているわけですが先程の言いました通りかなり高温状態となっているためエンジンオイルの質が悪かったり、不純物がたくさん含まれていると軸受けをうまく潤滑することができなくなってしまうわけです。
するとどうなるかというと、軸受けとタービンのシャフトが熱で焼き付いてしまい、いわゆるタービンブローを起こしてしまいます。
タービンブローを起こすと排気ガスが真っ白になり、エンジンも急激にパワーダウン、そしてタービンやコンプレッサーのインペラーが破壊されしまえばエンジン本体にも影響が出ます。
タービンブローを起こす最大の原因がエンジンオイル管理の不行き届きです。
エンジンオイルを何年も交換しないでいると必ずこういった目にあいます。
タービンブローの修理は最低でもターボチャージャーの交換を行うことになり、費用は新品部品使った修理で20万円ぐらい、リビルトパーツを使って修理でだいたい16万円ぐらい、中古パーツを使った修理で8万円ぐらいの費用が掛かります。
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