三菱 車種別故障事例

ランサーエボリューションXでよくある故障と修理費用

タイミングチェーンが延びる

ランサーエボリューションXにはこのモデルから新しいエンジン、4B11型エンジンが採用されています。

このエンジンは先代ランサーエボリューションIXまで使われていた4G63型エンジンとレイアウトが逆でフロント側が吸気側、バルクヘッド側が排気側となっていますがそれ以外は基本的な構造に違いはありません。

このエンジンはランサーエボリューションX以外にも廉価モデルのギャランフォルティスやアウトランダーなどにも採用されていますが、ランサーエボリューションXに搭載されている4B11型は他のモデルとは違う特別なスポーツモデル用のエンジンとして作られていて、制御も違う形が取られています。

その1つがタイミングチェーンの伸びのチェックです。

このエンジンはカムシャフトと駆動させるための方法としてメンテナンスフリーのタイミングチェーンが使われています。

他のモデルでは本当の意味でメンテナンスフリーなのですがスポーツモデルのランサーエボリューションXではこのタイミングチェーンの伸びもシステムに監視されていて、ある程度の伸びを検知するとインフォメーションディスプレイに「販売店に連絡」といった警告がされます。

特にどこも調子悪くないがなんとなくエンジンからガラガラというような音が聞こえてきた時にこの警告が出たらたぶんタイミングチェーンが規定値以上に伸びています。

修理はエンジンを開けてタイミングチェーンの交換を行いますが、チェーンの伸びが少ない対策品が出ているのでそれに交換されることになるでしょう。
費用はだいたい18万円ぐらいになると思います。

 

AWCポンプの故障

これは三菱でも既知のトラブルとしてみており、この部分の保証期間を延長しています。

その場所とはAWCポンプです。

AWCポンプとは三菱の4WD技術のひとつである、オールホイールコントロールを機能させるために使う油圧を生み出すポンプユニットのことで、右後ろタイヤの後方、オーバーハングの位置につけられています。

AWCにはいろいろな機能がありますがランサーエボリューションXにとって非常に重要なのがAYCとACDです。

AYCとアクティブヨーコントロールと呼ばれるもので、リヤデファレンシャルギヤに内蔵された形で付けられています。

これは左右の差動を吸収するだけというデファレンシャルギヤの機能とは別に能動的に車体の向きを変えさせようといったもので、右に曲がる時は左タイヤの駆動力を高め、左に曲がる時は右タイヤの駆動力を高めて、リヤタイヤ2つだけで車体を曲げる力を生み出させようとする技術です。

ACDはアクティブセンターデフと呼ばれるもので、センターデフの拘束力を3つのモードから選ぶことができるもので、コーナーリング性能とトラクション性能をバランスよく持つターマック、トラクション性能重視寄りのグラベル、トラクション性能最優先のスノーの3つが選べます。

これによって高いトラクション性能を得ることができるわけです。

この2つの機能はAWCポンプによって作られた油圧で機能しているのですが、そのAWCポンプが故障する可能性があるのです。

これはAWCポンプが付けられているところが悪いのだと思いますが、雨や雪、路面凍結防止剤などがタイヤに撒きあげられて祖がAWCポンプに付着し、それによってユニット自体が腐食や錆を発生させてオイルポンプとしての機能を失ってしまうことがあるのです。

このAWCポンプの機能が止まるAWC機能がすべて止まってしまうことになりますので走りに影響が出てしまいます。

保障期間が9年まで伸ばされていますので仮に壊れたとしても期間内であれば無償修理となりますが、保証期間が切れた場合は約20万円といった修理費用が掛かります。

 

「修理か?買い替えか?どっちが正解なの??」

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TC-SST特有の症状

ランサーエボリューションXには、5速マニュアルトランスミッションの他の国産自動車で初めてとなるTC-SSTと呼ばれるセミオートマチックトランスミッションが搭載されています。

一般的にはDCTと呼ばれているもので、オートマチックトランスミッションと同じようにクラッチペダルはありませんが、クラッチとギヤボックスを備えているどちらかというとマニュアルトランスミッションに近い考え方を持つものです。

構造的には1速3速5速といった奇数段のギヤボックスと2速4速6速といった偶数段のギヤボックスの2つのギヤボックスを並列で置き、その2つのギヤボックスをそれぞれにつけられたクラッチで切り替えることでプロドライバーでもできない素早いシフトワークができるようになっています。

オートマチックトランスミッションモデルのように自動的に変速するモードの他にシフトレバーやパドルシフトでマニュアル操作をすることができるようになっており、まさにセミオートマチックトランスミッションとして使うことができるようになっています。

しかし、このTC-SSTにはどうしても避けられないトラブルがあります。

それが熱によるガクガク感です。

この症状が出る時は長時間渋滞に巻き込まれ、超低速状態やクリープ現象で走ったり止まったりを繰り返している時はサーキットや峠道などでスポーツ走行をしている時で最初は全く何にも起きないのですが、しばらくすると変速時にガクガクしたり、超低速走行をしていても車全体が大きく揺れるほどのガクガクが襲ってきます。

そしてその状態で更に走り続けると警告灯が点灯して、インフォメーションディスプレイに「販売店に連絡」と出ることもあります。

この症状はTC-SSTに入れられているSSTオイルの温度が上がり過ぎていることを表しています。

TC-SSTはギヤボックスの潤滑の他にクラッチの動作、冷却にもSSTオイルを使っています。

いわゆる湿式多板クラッチというもので、クラッチ板がSSTオイルに浸かっている状態になっているわけですが、クラッチは完全密着しているか完全に離れているかのどちらか以外の時は常に摩擦を起こしています。

トルクコンバーター式のオートマチックトランスミッションにあるクリープ現象もクラッチを半クラッチ状態にしたり、細かく切ったり繋いだりすることで疑似的に再現しており、そこにも摩擦があり、摩擦熱の発生があります。

スポーツ走行をしている時も高回転で回るクラッチを頻繁に切ったり繋いだりすることで摩擦熱が発生します。

それらの熱がどこへ行くのかというとそのほとんどがSSTオイルに移ることになって、それによって事実上、SSTオイルの温度が上がってしまうのです。

こういうこともあろうかということでSSTオイル用のオイルクーラーが左側につけられているのですが、オイルクーラーにSSTオイルを流すためにオイルポンプの流量が非常に少なく、オイルクーラーにガンガン走行風があたっても冷却しきれない状態が起こってしまうのです。

SSTオイルの温度が上がりすぎると変速動作もおかしくなりますし、何よりもクラッチ操作がラフになりますのでそれによってガクガク感が生まれてしまうのです。
この症状は故障ではなく仕様です。

ですので修理に出して出ないようにすることはできません。

しかし、でにくくするほうほうはあります。

まずは運転方法、渋滞など低速走行を余儀なくされる時は疑似クリープ現象での走るのはやめて、マニュアルトランスミッションモデルのように前がそれなりにあくまで完全停止して待ち、そこそこのスピードで走れるぐらい間隔があいたら走り出すという方法をとります。

それからチューニングパーツとして販売されているSSTオイルクーラーをつけるといいでしょう。

特にスポーツ走行を楽しむ方はSSTオイルクーラーは必需品です。

費用は部品代だけで約12万円、ショップでの取りつけ工賃がだいたい2万円ぐらい、SSTオイルの交換もとないますのでそれだけで4万円ぐらいかかります。


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