8AR-FTSエンジンの振動
アリストの北米レクサス転用モデルとして作られていたトヨタのGSも今やクラウンのグレードアップモデルとなってしまいましたが、作りだけでなく当然ながらトラブルに関してもクラウンと同じものが出ています。
特にエンジン周り、クラウンとGSは同じエンジンを使っているモデルが多いので、どちらかでトラブルが頻発するともう一方でも頻発するといった始末になります。
GS200tというグレードに搭載されている8AR-FTS型エンジンもその1つ、このエンジンは直列4気筒DOHCターボエンジンで燃料噴射として直噴技術であるD-4STを採用しています。
D-4STはトヨタの直噴技術であるD-4Sをターボエンジンようにモディファイしたもので基本は1気筒あたり2インジェクター式のD-4Sと変わりはありません。
直噴と吸気ポート噴射の良いところを使って、燃焼効率を上げるものですが、やはり直噴エンジンとしての弊害だけはどうすることもできず、GS200tでも定期的なメンテナンスや修理が必要となります。
では直噴エンジンの弊害と何かということですが、それはまず直噴エンジンの構造を知る必要があるでしょう。
直噴エンジンは、通常のエンジンとは違い、シリンダー内部へ直接ガソリンを噴射する構造になっています。
そうすることでシリンダー内の温度を低くすることができ、ノッキングが起きにくくなることから、より圧縮比の高いエンジン構造をとることができるのです。
ご存じ通り、圧縮比を高めることができれば、それだけ燃焼効率がよくなり、パワーも出ますし、間接的に燃費をも向上させることができるのです。
これが直噴エンジンを用いる最大の理由ですが、いいことばかりではありません。
ガソリンをシリンダー内に直接噴射するため、液体であるガソリンが気体に変化する時間をとることができなくなり、多少なりとも燃えにくい液体のガソリンとして残ってしまうことからそれを無理やり燃焼させることで大量のスラッジ、カーボン類を発生させてしまうのです。
直噴エンジンには必ずこのスラッジがつきもので、エンジンの設計段階で如何にスラッジの発生を抑えることができるのかということを考えることが必要で、トヨタが出した答えが吸気ポート噴射併用というD-4Sという技術ということになったわけです。
しかし、そのD-4Sをもってしてもスラッジの発生量は尋常ではなく、通常の5倍から10倍ものスラッジを発生させてしまいます。
ではそのスラッジがどこへ行くかというと通常は燃焼室内で燃やされたり、排気ポートから排出されてキャタライザーなどでろ過されることになりますが、その一部がバルブタイミングによって吸気ポート内へ吹き戻される形となり吸気ポートから吸気バルブに蓄積していってしまうのです。
この部分にスラッジが蓄積してしまうということは、ポート内径が細くなるということでそれすなわち、吸気量が減ってしまうということになりますので、エンジンが正常に機能するわけがありません。
不安定なアイドリング、エンジンの息継ぎ、パワー低下、燃費の悪化が起こります。
この症状に対する修理ですが、この症状がこのエンジンの仕様ですので根本的な修理方法はありません。
西洋医学のように対処療法をとるしかなく、調子が悪くなったらシリンダーヘッドのクリーニングを行い、エンジンオイルもまめに交換します。
費用としてはクリーニングで町の整備工場でだいたい3万円ぐらい、トヨタのレクサス店で10万円ぐらいかかります。
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パワーステアリングの異常
GSでは市販車両として致命的な欠陥を持っています。
それがステアリングホイールの位置と実際のフロントタイヤの向きが合致しないというものです。
GSにはギア比可変ステアリングシステム、VGRSというものが付けられています。
これは電動式パワーステアリングの機能を使って、走行スピードに合わせてステアリングホイールの回転とフロントタイヤの切れ角を変化させるというものです。
低速時では少しのステアリングホイールの操作でも大きく曲がるようにして取り回しを楽にしたり、逆に高速時ではフロントタイヤの切れ角を少なくすることで安定性を持たせるようにしてします。
これらの動作は電動式パワーステアリングの電気モーターで行っているわけですが、その電気モーターの回し続けると熱を持つことになり、その熱で電気モーターが壊れないようにするために一時的に電気モーターの回転を止める制御がなされています。
これはこれでいいのですが、実はこの電気モーターの電力をカットすることでシステムがステアリングの中立の位置を忘れてしまい、ステアリングホイールの角度とタイヤの向きが大きく異なることがあるのです。
最大で90度以上もの違いが出ることもあるそうです。
ただ、学習機能が働いてすぐに元通りなるのですが、一時的にもステアリングホイールとフロントタイヤの位置がずれるということは危険極まりないことですので、リコールとなりました。
原因はVGRSを制御するソフトウェアのバグとシステムが煮詰まっていないのにライバルに差をつけようとするために早々に市販車両に搭載してしまったことです。
リコールですので修理はすべて無償となります。
オルタネーター故障で充電不足
自動車はガソリンや軽油の他に電気が必要です。
それを作り出しているのがオルタネーターという直流発電機で、基本12ボルトの電気を生みだし、それを自動車につけられている電装品に送ったり、余剰となった電力をバッテリーに蓄えて、エンジン始動時のスターターモーター用の電気として使うようにしています。
オルタネーターは回転することで発電するもので、その回転をクランクシャフトからとっています。
クランクシャフトにつけられたプーリーとオルタネーターのプーリーをゴムベルトで結んで回転をもらっていて、エンジンがかかっていれば常に発電することができるということです。
しかし、発電するのはいいですが常に大量の電気を必要とするわけでもありませんし、余った部分をバッテリーに蓄えるにしてもEVはありませんのでバッテリー容量も少ないのですぐに一杯になってしまいます。
そこでオルタネーターのプーリーに電磁クラッチをつけ、電気が欲しい時はクラッチをつないでオルタネーターを回して発電する、逆にそれ程電気を必要としていない、あるいはバッテリーが満充電になっているといった時にはクラッチを切ってプーリーは回るがオルタネーター自体は回っていないといった形で制御するようにしたのです。
これはオルタネーターを回すことによるパワーロスを少なくすることから低燃費装備の充電制御とかオルタネーター制御などといった言葉でも表されます。
もちろんGSにもつけられているのですが、どうやらGSのオルタネーターにつけられているプーリーと電磁クラッチは性能が悪いようです。
早いものでも数千キロでクラッチ部分にガタが出始めてしまい、エンジンをかけるたびにガラガラと異音を立てるようになったりします。
それが行き過ぎると無理がかかっていることから熱を発生し、その熱でクラッチが固着してしまったり、逆に必要な時でもクラッチがつながらない状態になってしまったりすることがあるようです。
修理はオルタネーターごとそっくり交換となり、レクサス店で修理をすると部品代、工賃あわせて15万円から20万円ぐらいかかることがあります。
中古部品やリビルトパーツを手に入れて自分で交換したり、町の修理工場などで交換してもらえば部品代で2万円ぐらい、工賃で15000円ぐらいで済みます。
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