トヨタ 車種別故障事例

ハイエースバンでよくある故障と修理費用

インジェクターの故障でエンジンストール

発展途上国を中心とした海外で中古車が大人気であることから日本国内でも人気となっているワンボックスバンのハイエース、このハイエースには昔からずっとガソリンエンジンモデルの他にディーゼルエンジンモデルも用意されています。

昔のハイエース、100系までのモデルのディーゼルエンジンは一般的なごく普通のディーゼルエンジンだったのですが、現行型となる200系では排気ガス規制に適合させるために新たにコモンレール式ディーゼルエンジンというものを採用するようになりました。

コモンレール式ディーゼルエンジンというのは燃料噴射の圧力を高めることができるもので、通常のディーゼルエンジンが二次燃料ポンプの圧力だけで燃料を噴射するのに対して、コモンレール式というのはその圧力を一度、コモンレールという部分に蓄え、更に圧力を高めた上で噴射するのでよりきめ細かい燃料噴射をすることができ、燃焼効率も上がりますし、スラッジの発生も少なくすることができることからここ最近のディーゼルエンジンモデルではよく使われています。

しかし、燃圧が高まるということは燃料系部品に負担がかかるということ、特に燃料噴射を直接つかさどるインジェクターにはかなりの負担がかかります。

負担がかかるということはそれだけ壊れやすいということで実際にもこのインジェクターがらみのトラブルがハイエースのディーゼルエンジンモデルで多発しているようです。

症状としてはエンジンをかけることはできるのですが、アイドリング回転数が不安定でエンジンが大きく揺れ、それによる振動がボディ全体の伝わるというもので、ひどい場合ですとエンジンが止まってしまうこともあります。

これはインジェクターが故障してしまい、適切なタイミングで適切な量の燃料を噴射することができないことから起こっているものです。

修理は壊れてしまったインジェクターを交換することで行いますが、ディーゼルエンジンのインジェクターは高圧に耐えられるようにととても頑丈に作られているものですので非常に高価で新品部品で1本でだいたい5万円ぐらいします。

これに交換工賃をあわせて、すべてのインジェクターを交換するとなると最低でも25万円ぐらいはかかってしまうでしょう。

一応、リビルトパーツも出回っており、1本で3万円ぐらいで発売されているようですが、故障することが多いので新品を使った方がいいと思います。

ちなみにインジェクターを交換する時は4本同時がいいでしょう。

一本だけ壊れていたとしても他のインジェクターも同じタイミングでエンジンにつけられているので同じタイミングで壊れる可能性が高いからです。

それに交換する時にかかる工賃も1本交換するのも4本交換するのもたいした違いはないので、これから長く乗ろうとしているのであれば、ついでにすべてを交換した方がいいでしょう。

 

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ウォーターポンプからの冷却水漏れ

これは200系ディーゼルエンジンモデルで多発しているトラブルです。

症状としては冷却水漏れで、かなりまとまって漏れてきます。

漏れる場所はこの車ではおなじみの部分となるウォーターポンプからでエンジンブロックとウォーターポンプ本体の間に入れられているガスケットからとウォーターポンプのシャフトを支えるシールからと両方から漏れます。

ここから冷却水が漏れやすいのは特にこれといった原因はなく、過酷な環境の中で使われることが多い商用バンならではの劣化ということが言えると思うのですが、他の商用モデルではここまで多くのトラブルが早期の起こることがないのでやはり部品の質の悪さ、トヨタのコスト削減策の影響が出ているものと思われます。

ウォーターポンプの位置はエンジンが縦置きにされていることからアクセスに関しては良好なのですが、ウォーターポンプを固定しているボルトが他の部品の固定ボルトと共締めとなっているため、それらのものも1度取り外さなければならないので非常に手間がかかります。

同時に取り外さなければならないのはエアコンコンプレッサー、オルタネーター、ファンベルトのベルトオートテンショナーなどで、ウォーターポンプを取り外すよりそれらを取り外すほうに時間が取られます。

ウォーターポンプを交換する際に当然ながら冷却水はすべて抜いてありますので、交換が終わったら新しい冷却水を入れて更にエア抜きをきちんと行わなければならないので修理にはかなりの時間がかかることでしょう。

修理費用は新品ウォーターポンプがだいたい13000円ぐらい、リビルトパーツが8000円ぐらい、中古パーツが5000円ぐらい、ガスケットがだいたい1000円ぐらい、冷却水が2000円ぐらいでこれらの工賃として5万円ぐらいの費用が掛かります。

 

ステアリングホイールを回すとゴリゴリする

ハイエースは海外ではトラブル知らずなどといわれて大人気となっていますがそれは他の国の車が壊れやすすぎるだけであってハイエースでも普通に壊れます。

特に200系になってからは相当なコスト削減を行っており、100系以前では壊れることなどあまりなかったところがこの200系では「よくあるトラブル事例」としてあげられることになっています。

そういったトラブル事例のひとつとして上がられるのがステアリング関連のトラブルで、ステアリングホイールを左右に回すとあしもとから細かい振動と共にゴリゴリといった音がするというものです。

感覚的にどこかのギヤでグリス切れでも起こしているのか、あるいは何かがこすれてその上で無理やり動かしているのではないかと思われるような症状ですが、その感覚は大正解でステアリングレベルギアというギヤボックス内のボールベアリングが摩耗してガタが出たり、シールの隙間からダストが入ってそれがボールベアリングに噛んだりすることで起こります。

ステアリングレベルギアというのはステアリングホイールの回転をステアリングラックにあるギヤボックスに伝えるための方向を転換させるためにつけられているものですので、運転中は常に動いているものです。

ましてや重たい荷物を満載にすることもありますし、ボディが長いため通常の乗用車よりも何かと切り返しの回数が増えることから、どうしても負担がかかってしまうのです。

ステアリングレベルギアは基本的に非分解性ですので修理をするといいうよりは部品ごとそっくり交換するという形で修理を行いますが、稀に軽症であれば注油などをして一時的に症状を緩和することもできます。

ただそれはあくまでも応急処置的なものであって、また同じ症状が出てくることになりますので、結局はステアリングレベルギアをそっくり交換することとなるでしょう。

費用は新品の部品代として約26000円、そして交換工賃としてだいたい1万円ぐらいの費用が掛かります。

トラブル事例が多い部分だけあって、リビルトパーツや中古パーツの供給などもされています。

リビルトパーツであれば1万円ぐらい、中古パーツであれば3000円から5000円程度といった金額で買うことができますが、リビルトパーツであれば、一度分解して、クリーニングやクリアランスの調整、ボールベアリングの交換などがされているのでそこそこ信用できますが、中古パーツはまさに中古ですのでまたすぐに壊れることが懸念されます。

中古パーツはなるべくなら使わない方がいいかと思います。


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