エアコンをつけた時の異音と振動
R2は軽自動車ですので、登録車ほど快適性に力を入れて作られているわけではなく、よく言えば必要最低限、悪く言えば妥協した形で作られています。
特にR2の時代の軽自動車ではそういった傾向が強く、何かと後からいろいろと問題が出てくるようです。
その1つがこの症状、エアコンをつけるとすごい音と振動が伝わってくるというものです。
エアコンといっても送風機能や暖房機能ではなく冷房機能、要するにエアコンコンプレッサーが回った時だけ、エンジンルーム周りから聞こえるゴゴゴ・・・という音とそれに伴って車全体に広がる大きな振動がするという状態です。
自動車の冷房機能はエアコンコンプレッサーでエアコンガスを圧縮して、それをエキスパンションバルブで噴霧することで行うものですが、その中でエアコンコンプレッサーの仕事はかなり重労働となります。
何しろ気体となっているエアコンガスを液体になるまで圧力を掛けなければならないのですからかなりの力が必要となります。
では、その力はどこからとるのかというとそれはクランクシャフトの回転、要するエンジンからとっているわけです。
走行中に高負荷のエアコンコンプレッサーをエンジンの力で回しても単にパワーダウンするだけでそれによって不具合が出るとか、運転ができなくなるということはありません。
しかし、とかく不安定でパワーのない状態となっているアイドリングの時ではどうでしょうか。
何とかぎりぎりで安定してアイドリング回転数を保っている状態なのに、この状態に更に高負荷のエアコンコンプレッサーを回す仕事を追加したらどうなるか・・・負荷に負けてエンジンは止まってしまいます。
しかし現実的にはエアコンコンプレッサーがアイドリング中にまわったからといってエンジンが止まってしまうことはありません。
なぜならアイドルアップという対策をとっているからです。
エアコンコンプレッサーが回るとアイドリング回転数が少し上がるのはご存知かと思いますが、実はそれが高負荷のエアコンコンプレッサーを回すために取られた対策で自動的にアイドリング回転数を高めることで若干エンジンパワーを高めているのです。
アイドリング回転数が若干でも高くなるということはそれだけ音も振動も大きくなるということですが、特に振動と振動によって発生している音は共振したり共鳴することで普通とは違う音に聞こえてくることがあります。
通常ではそういった音や振動はエンジンをフレームの固定しているところにつけられているエンジンマウントというもので吸収されて、ドライバーがあまり気にしなくてもいいようになっているものですが、コスト削減、実用重視の軽自動車であるR2ではこの辺が軽視されていてエンジンマウントにあまりいいものが使われていなかったのです。
それによってゴゴゴゴっという音やひどい振動が伝わってくるわけです。
ですので、原因はエンジンマウント作りです。
実のところ、この不具合はスバルも承知のことで、初めてのマイナーチェンジの際に振動に強いエンジンマウントとミッションマウントを採用するようになりました。
なのでこの症状が出るのは初期型だけということです。
この初期型でこの異音と振動をどうにかしたいというのであれば、マイナーチェンジ後のエンジンマウント、ミッションマウントに付け替えればいいでしょう。
ディーラーによってはクレーム処理ということで無償交換とないますがそうでない場合は部品代として15,000円ぐらい、工賃として8,000円ぐらいの費用が掛かります。
「修理か?買い替えか?どっちが正解なの??」
R2が故障!修理か?買い替えか?迷う…
その問題の正解を詳しく教えます。
※故障してもいいと言う方は時間の無駄なので絶対見ないでください。
エンジンヘッドカバーからエンジンオイル漏れ
R2にはスバルのEN07型と呼ばれるエンジンが搭載されています。
このエンジンは当時でも3気筒エンジンが主流であった中でとても珍しかった4気筒エンジンとなっています。
そして更に燃費のためではなく、動力性能のためのDOHC構造が与えられていた軽自動車のエンジンとしては少し複雑な構造を持っていました。
そのせいでしょうか、このエンジンでは非常にエンジンオイル漏れが多くなっています。
一番多いのがシリンダーヘッドとその蓋となるシリンダーヘッドカバーの間からのエンジンオイル漏れです。
DOHC構造を持つエンジンのシリンダーヘッド内はかなり複雑です。
2本のカムシャフトに16組のバルブ・バルブスプリングの組み合わせが所狭しと置かれており、それぞれが摩擦を起こすためにエンジンオイルで潤滑・冷却・洗浄が行われています。
シリンダーヘッド内にもたらされるエンジンオイル量は意外と多く、間隔的にはジャバジャバと巻き散らかされているといった感じです。
カムシャフトは高速で回転していますし、バルブは激しく上下運動を繰り返しますのでエンジンオイルもただ撒かれて下に落ちていくだけでなく、上下左右に飛び散ることになり、当然ながらシリンダーヘッドカバーの裏などにも付着するわけです。
それが下に落ちてくる途中でシリンダーヘッドとシリンダーヘッドカバーとの合せ目を通りますが、正常な状態であればヘッドカバーパッキンで隙間が埋められているのでそのまま下にスルーしていきますが、経年劣化などでヘッドカバーパッキンが硬くなり密閉性を失ってしまうとそこからエンジンオイルがにじみ出てきてしまいます。
特にスバルのエンジンに使われているこういったゴム製のパッキン類はトヨタやダイハツのものと同じぐらい質が悪く、劣化も早いためどうしても多くの車で出てきてしまうのです。
エンジンオイルが漏れてきてもそれが外側に出てきてくれるのであればさりとて大きなトラブルにもつながることも少ないですし発見も早くなるでしょう。
問題なのはプラグホールと呼ばれるスパークプラグを取り付けるためにあるくぼみの部分につけられるパッキンからのエンジンオイル漏れです。
ここからエンジンオイルが漏れてくると外の出ることができないので、まるでコップにお水をそそぐようにその部分にどんどんとたまっていき、その部分にエンジンオイルがたまりすぎるとスパークプラグやダイレクトイグニッションコイルを水没(油没?)させてしまい、点火用の電気をリークさせてしまうのです。
点火用の電気がリークしてしまうといわゆる失火を引き起こしてエンジンに多大なる影響を与えてしまいます。
修理は、プラグホールパッキンを含めたヘッドカバーパッキンを交換します。
費用はスバルの部品名でいうとロッカーカバーガスケットが約2,000円、プラグホールガスケットが約1,500円の部品代と工賃が5000円ぐらいかかります。
CVTからのうなり音
R2にはスバルの初期のころのCVTが搭載されていますが、不具合の多かったECVTではなく、トルクコンバーターを使ったi-CVTです。
このCVTではウォーンといったようなうなり音がエンジン回転数にあわせて音質が変化する形で聞こえてくることがよくあります。
これはR2に搭載されているCVTの一種の持病みたいなもので内部に入れられているCVTオイルの劣化と比例して発生したり、音が大きくなったりします。
持病ですのでこの音が完全にしなくなるようにすることはできませんが、大きくなってきた音を小さくすることはできます。
その方法はCVTオイルの交換です。
CVTはCVTオイルにかなり依存する構造を持っているため、そのCVTオイルの汚れ具合とか質の劣化などによって調子が左右されますので、少しでもCVTに違和感を持つ場合はCVTオイルの交換であっさり直ってしまうことがあります。
スバルとしては4万キロごとに交換することをすすめていますが、実際にはもっと短いスパン、2万キロとか3万キロごとに交換した方が異音なども出にくくいい結果を得ることで来ているようです。
CVTオイルの交換費用は純正オイルが5,000円ぐらい、工賃が3,000円ぐらいですのでなんだかんだ言って1万円近くの費用が掛かります。
車の買い替えや処分を考える時は、あらかじめ自車の査定を忘れずに👇👇👇