三菱 車種別故障事例

トッポでよくある故障と修理費用

ヒーターが使えない

今でこそ軽自動車の生産しか行っていませんが、三菱は過去には独自に軽自動車の開発・設計をしていました。

トッポはそういった時代につくれたもので、eKワゴンベースのトールワゴン・・・といってもスーパーハイトワゴンに限りなく近い全高を持つモデルとして作られていました。

このモデルは2013年9月で生産を終了しているモデルですが、意外と人気が高く現在でもかなりの台数が走っています。

もちろんその数に比例していろいろなトラブルや故障も出ているわけですが、その中で多く出ているのがこのヒータートラブルです。

エアコンのヒーター系の作りは登録車と全く同じで冷却水の熱を利用していて、エンジンを冷却するために循環している冷却水の一部を配管によってキャビン内のインパネ奥まで引き込み、ヒーターコアというラジエーターみたいなところに流した後、またエンジンルームに戻り、エンジン周りの冷却水と合流していくとサイクルを持ちます。

ヒーターコアはアルミ合金でできているため、内部を流れる冷却水の温度によって表面温度が高くなり、その高い温度となったヒーターコアの後ろからブロアファンで作った風を当てることで暖房用の温風を作り出すわけです。

こういった構造の中で出るトラブルのひとつに真冬にヒーターをつけてもなかなか暖かい風が出てこない、出るまでに30分位以上かかるといったものがあります。

先程のヒーターの構造からすると温風が出てこないということになる可能性として考えられるのがブロアファンの故障とヒーターコアの故障です。

まずブロアファンが壊れて風を作ることができないのであれば、ヒーターどころか冷房も使えないということになりますが、今回のトラブルで風は出てきますので、ブロアファンの故障ではないことがわかります。

次にヒーターコアの故障ですが、あり得るとすればヒーターコアに冷却水を導く経路が何かしらで詰まっていて冷却水は来ていても流れないから温まりが悪いのかということになりますが、ヒーターコアを触ってみると思ったほど熱くないことがわかりました。

それ以外にも実はもっと顕著に出ている症状が見つかりました、それが冷却水自体の温度が低いということです。

自動車の冷却水の経路は大きく分けて2つのものがあります。

一つはエンジンブロックのまわりをぐるぐると循環するだけの経路、そしてもう1つは途中から分岐してラジエーターへと流され、ラジエーターを通過した後にまたエンジンに戻ってくるという経路です。

エンジン周りを循環する経路はエンジンを掛けたすぐ後など冷却水の温度が低い時に使われているもので出来るだけ早く冷却水の温度を高めたい時に使います。

一方、ラジエーターを通す経路はこれは温まりすぎた冷却水を冷やす時に使う経路でラジエーターで走行風やラジエーターファンの風で冷やされてエンジンに戻ってきます。

その分起点に入れられているのがサーモスタットというバルブで冷却水の温度によってバルブの開閉を行い、温度が低い時は循環経路を、温度が高い時はラジエーター経路を通すように制御しています。

エンジンを掛けても冷却水が低く温風が作れないということは、実はこのサーモスタットが悪さをしていることもあります。

サーモスタットが開きっぱなしで常にラジエーター経路を通ることになっていてそうでなくても冷たいのに更に冷やされているといった状態、すなわちオーバークール状態になっていることです。

オーバークールであれば当然、冷却水の温度がなかなか上がりませんのでそれを引き込んだヒーターコアに風を当てても暖かい風が出てくるはずがありません。

今回の温風が出てこないというトラブルの原因はどうやらサーモスタットの固着によるオーバークールだったようです。

これなら修理は簡単です、サーモスタットを交換すれば直ります。

ただ、サーモスタットの交換には冷却水を抜かなければなりませんので、冷却水の交換も同時に行うことになります

費用はサーモスタットがだいたい3000円ぐらい、冷却水が2000円ぐらい、そして工賃が15000ぐらいとなるでしょう。

 

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ブースト圧が高すぎる

軽自動車は660ccという非常に小さなエンジンしか積めないことになっているためパワーを稼ぐことが難しい車といえます。

そこで軽自動車でパワーが欲しい時はターボチャージャーという過給器をつけてパワーを補うことになりわけです。

ターボチャージャーは排気ガスの力でタービンを回し、そのタービンと同軸上にあるコンプレッサーで吸気をシリンダー内に押し込み、その空気量にあった燃料供給を行うことでエンジン排気量以上の大パワーを得ることができる優れものです。

トッポにも3G83のターボエンジンが採用されていて、軽自動車の自主規制値である64psを発生させることができているのですが、このエンジンにて必要以上にブースト圧が上がりすぎてしまうというトラブルが起きています。

ブースト圧というのはコンプレッサーによって圧縮された大気のサージタンク内での圧力でkgf/cm2とかpsiとかkPaといった単位で表されます。

最近はkPaという単位を使うことが多くなりましたがトッポが発売されていた時代はkgf/cm2が一般的で、トッポのノーマルでのブースト圧はだいたい0.7kgf/cm2ぐらいです。

しかしこれが突如として0.8kgf/cm2とか1.0kgf/cm2ぐらいまでに上がってしまったのです。

ブースト圧は高ければ高いほどパワーを稼ぐことができます、それがブーストアップというチューニング方法なのですが、しかしあまりにも高くなってしまうとエンジンがその圧力やパワーに耐えられなくなってしまい、寿命を短くしてまったり、あるいは一発でエンジンブローとなってしまうことがあるのです。

ターボチャージャーにおいてブースト圧を管理しているのはタービン側についている排気ガスの逃げ道となるウェイストゲートとアクチュエーターの2つ部分です。

アクチュエーターはサージタンクやコンプレッサー側のある圧力によってシャフト動かす仕組みになっていて、そのシャフトの先にウェイストゲートを開け閉めするハンドルが繋げられています。

トッポでいえばサージタンクの圧力が0.7kgf/cm2以下であればアクチュエーターは動かずウェイストゲートは閉まりっぱなしでどんどんブースト圧を上げるようにタービンを回しますが、サージタンクの圧力が0.7kgf/cm2となった瞬間にアクチュエーターのシャフトが動き出し、ウェイストゲートを開くことでタービンを回す力が無くなることでブースト圧の上昇を止める、あるいはブースト圧を一定にするという動きをするようになっているわけです。

これでブースト圧を一定の圧力以上にならないようにしているのですが、距離が延びてくるとアクチュエーターの圧力を受けるダイアフラムが入れられているところにサージタンク経由でスラッジが入り込み、そのスラッジがアクチュエーターの動きを鈍くしてしまうことがあるのです。

動きが鈍くなると思ったところでウェイストゲートを開くことができなくなるためブースト圧が必要以上に高くなってしまいます。

修理は念のためアクチュエーターを交換します。
費用は部品代、工賃含めてだいたい15000円ぐらいとなるでしょう。

 

大きな変速ショック

トッポに採用されているオートマチックトランスミッションで大きな変速ショックに悩んでいる方が結構いるようです。

トッポのオートマチックトランスミッションはごく普通のトルクコンバーターとギヤの組み合わせで出来ているものですが、オートマチックトランスミッションフルード、ATFの交換を怠ることで内部を壊してしまうことがあるようです。

こういった症状を持つもののオートマチックトランスミッションを分解してみると真っ黒な泥のようになったATFと細かい気続編が出てくることが多いようです。

まさしくその真っ黒なATFがギヤやトルクコンバーター、制御システムとなるバルブボディを傷めつけてしまい、制御に使うアルミプラグなども外れてしまい正常な制御ができなくなってしまいます。

もちろん内部にあるストレーナーも真っ黒で目詰まりを起こしているので油圧もかかりません。

こういった症状がある場合はオートマチックトランスミッションをオーバーホールしてATFをキレイしてあげなければならないでしょう。

費用はオーバーホール費用としてだいたい10万円ぐらいかかります。


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