8AR-FTSエンジンでパワーが出ない
アルテッツァの輸出仕様として始まったIS、今ではGSベースのスポーティーセダン、言うなればクラウン・アスリートと同じ位置にいるモデルです。
このモデルにはベースとなったクラウンやGSと同じように2リッターターボエンジンを搭載したモデルがあります。
グレード名としてはIS200tということになりますが、これは販売戦略的にはダウンサイジングターボエンジン搭載モデルということで低燃費を目指した車としているようですが、実際には2リッターオーバーのエンジンを搭載すると自動車税が高くなることからそれを嫌ってISを買わなくなることを避けるために用意されたISのプアマンズ仕様ということです。
2リッター直列4気筒直噴ターボエンジンの8AR-FTSが搭載されているのですが、このエンジンは何もこのモデルだけに採用されているわけではなく、トヨタらしく複数のモデルに使いまわしされています。
NX、RX、RC、クラウンなどに採用されているのですが、どのモデルでも必ずトラブルとなり修理に持ち込まれるのが全域におけるパワーダウンです。
このエンジンはカタログ値で245psのパワーを持つことになり、車両重量約1.6トンとしても大衆セダンとしてはそこそこ走りができるようになっていますが、購入してから数か月、数千キロ走ったあたりから出始めるのがパワーダウンです。
そもそもこの245psというのも信じがたい数字で、昔からトヨタの公称馬力ほどあてにならないものはないなどといわれてきたこともあるぐらいで、実際にIS200tをシャシーダイナモにのせてパワーチェックをすると高くても180ps前後とだいぶ低いパワーになっていることもあって、快適に走ることなどできないのですが、時間が経つにつれてそれがもっとひどくなるのではたまったものではありません。
どうしてこういったことになるのかというとそれはこのエンジンに大量のスラッジがたまっているからです。
どんなエンジンでも燃焼行程で混合気を燃焼させると多少なりともカーボンなどのスラッジが発生します。
しかし、理想的な空燃比に近い状態であれば、燃焼効率がよくなることから思ったほどスラッジ発生は多くなく、発生したとしても排気ガスと一緒に排気ポートから出ていくことになったり、シリンダー内などに付着してもエンジンオイルで洗い流されることになりますので、それこそ何万キロ、何十万キロも乗らない限り、体感できるほどのパワーダウンになることはありません。
しかし、8AR-FTSエンジンではそれが早々に起こるのです。
理由は簡単、このエンジンが直噴エンジンだからです。
トヨタには直噴エンジン技術としてD-4Sというがあります。
これは通常の吸気ポート噴射と直噴の2つの燃料噴射機能を持たせているもので、エンジンの今の状態に合わせて2つの燃料噴射を切り替えながら走るものです。
直噴はシリンダー内に直接、液体のガソリンを噴霧することで、気化熱で燃焼温度を下げることができ、それに伴って圧縮比を高めることで、燃費の向上を果たすというものですが、デメリットとして液体のガソリンが燃焼行程までの間に完全に気化しないこともあり、それが未燃焼ガスとなったり、燃えにくい状態となるため大量のスラッジを発生させることになるのです。
D-4Sは比較的スラッジの少ない直噴技術だといわれていますが、それでも数カ月後には何かしらの症状を出すようになります。
スラッジは吹き返しによって吸気ポート付近に蓄積します。
その部分に蓄積すると吸気量が減ったり、スムーズに入ってこなくなりますのでパワーダウンは避けられません。
噂によると1年で180psから170psぐらいにまでパワーダウンする個体もあるようです。
これを防ぐには・・・乗らないこと、そして直すにはシリンダーヘッド周りを分解してクリーニングを行うことになりますので、一般の整備工場で3万円ぐらい、レクサス店で10万円ぐらいの費用がかかるでしょう。
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ボディ剛性が弱い
やはりこの車もトヨタの車です、ボディ剛性の弱さは隠せないところでしょう。
勘違いしていただきたくないのはボディの強度ではなくボディの剛性、ぶつかった時にどれだけ原形をとどめるかではなく、走っている時にボディがどれだけ元の形状にも出ることができるかです。
トヨタ、ダイハツの車はとにかく車を安く作ることに固執しており、そのためなら何でもぎりぎりの状態で作ります。
その1つがボディの作りで、何かあった時の安全性に関しては企業イメージもありますのでそれほど極端に落とすことができませんし、安全基準をクリアできなければその車を売ることすらできませんので、強度面に関してはそこそこのものを持たせます。
しかし、日常的な走行によって受ける衝撃によるボディの歪みに関しては何も考えらえていません。
むしろ剛性感をなくしてそれを乗り心地の良さとして扱うため、逆に剛性感を高めることもしないのです。
ボディの強度を高めるにはフレームの構造である程度はどうにかできますが、剛性だけは実際にフレームに使われている鋼材の質を上げたり、厚みをましたり、部品点数を増やしたりしなければならないのでお金がかかるのです。
トヨタはそれを極端に嫌いますので、強度はあっても剛性の無い車が作られてしまうのです。
このISもベースのクラウンやGSと同じように剛性感無いボディを持ちます。
そのボディになまじっかハイパワーなエンジンを載せてしまうものですから、ボディの歪みはとどまることを知りません。
あるところで1万キロ走行のISのボディの歪みを調べて結果、ルーフの位置が左右で2センチもずれていたそうです。
これだけ歪めばそのボディの付けられている部品の位置も正常ではなくなり、キャビン内での異音の発生、まっすぐ走らない、ステアリングホイールが取られるといった症状を出すようになります。
この症状が出た場合、修理はあきらめましょう。
何十万円もお金を掛ければ直せないこともありませんが、そこまでするひつようもないでしょう。
なぜならまたすぐに歪むからです。
この症状はこの車の仕様であると理解することが必要です。
2GR-FSE型エンジンの不調
ISのフラッグシップモデルであるIS350には2GR-FSE型エンジンが搭載されていますがそのエンジンが搭載されているモデルで5年以上乗り続けると必ず見舞われるトラブルがあります。
それがエンジンの不調です。
症状としてはこう、走っている時に信号に引っかかって止まったすぐ後にエンジン回転数がアイドリングよりも低くなり、止まりそうになるが何とか持ちこたえる、そしてボディ全体が大きく震えるほどの振動を伴うといった感じです。
こうなる原因はこのエンジンがD-4Sという技術を使った直噴エンジンであることによります。
直噴エンジンは圧縮比を高くすることができるので、1回の燃焼行程に使うガソリンの量を少なくすることができます。
それがいわゆる低燃費に繋がるわけですが、実はその超希薄燃焼がスラッジを大量に生み出すとことになり、そのスラッジが燃焼室内に設けられた直噴用のインジェクターの穴を埋めてしまうのです。
そうなると正常な量の燃料を噴射することができなくなりますので、余計にスラッジの量が増えてしまい、更に悪い状態へと進んで行ってしまうのです。
この症状が出てすぐに気が付いたぐらいのものであれば、点滴式のクリーニング材を使ってシリンダー内をきれいにすれば一時的に復活させることができますが、エンジン自体がそういう作りですのでまたすぐに同じ状態になります。
それからそういった症状が出ても無視して乗りつづけている場合はかなりの重傷となりますので、エンジンを開けてのクリーニング作業が必要となるでしょう。
費用はクリーニング材だけであれば5000円ぐらい、エンジンを開けてのクリーニングとなると一般の整備工場で3万円ぐらい、レクサス店で10万円ぐらいとなるでしょう。
ちなみにこの作業は根本的な修理ではありませんので、しばらくしたらまた同じ症状にみまわれることを覚悟しておきましょう。
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