三菱 車種別故障事例

ランサーエボリューションIXでよくある故障と修理費用

リードバルブ破損

ランサーエボリューションは三菱がラリーに参戦するために作った車です。

日本国内はもちろんのこと、WRC世界ラリー選手権にも出場していました。

ラリーという競技は公道を使って行われるタイムアタックレースですが、使用されるマシンはF1とかルマン24時間耐久レースのように特別なマシンを使うのではなく、あくまでも公道を使って競技を行いますので、使われるマシンはすべて市販車両をベースとして作られたものでなければなりません。

もちろんナンバープレートの各国で取得します。

市販車といっても「1台だけ作って売ってそれで市販車両でしょ?」ということはまかり通るはずもなく、規定では世界で100代とか1000台とか1万台以上のものを生産して販売しているものを市販車として認めるという形をとっているのです。

しかし、市販車として販売されているものはあくまでも日常生活用のために車でラリーに使えるほどの性能を持っていません。

そこで考えたのが、規定台数をクリアできるだけの台数を作ってラリー用のモデルを作るということでした。

それがいわゆるホロモゲ―ションマシン、そしてそれがランサーエボリューションなわけです。

ということは市販されているランサーエボリューションにもラリーマシンとしての何かがあるということになります。

その1つがミスファイアリングシステムというものです。

ミスファイアリングシステムとは、ターボエンジン特有のターボラグを解消するために取られているもので、アクセルオフによってタービンの回転が遅くなってしまい、ブースト圧が落ちてしまい、アクセルをオンにした時にブースト圧がかかるまでのタイムラグをなくすため、点火を止めた状態で燃料噴射をし、更にスロットルバルブとは全く関係のない部分から空気を吸わせて、燃焼室ではなく、エキゾーストマニホールド内で燃焼状態を起こし、その燃焼によって得られたガスと圧力でターボチャージャーのタービンをある程度回しておきます。

そうすることによって次回、アクセルをオンにした時のブースト圧の上りがよくなり、すぐに加速状態に入ることができるです。

これは市販された時には機能しておらず、ECUの設定を変えることで機能します。

公道でパンパンいわれたらうるさくて仕方がないので、必要な方が必要な時にだけ使えるようにしています。

これもラリーの規定によるもので市販車についていないものは基本的に付けられないので、そうならないようにと封印した形で付けているわけです。

そのミスファイアリングシステムで使われるものがリードバルブといわれるもので、エキゾーストマニホールド内で燃焼させる時の二次空気を吸うためにつけられています。

当然ですが市販状態ではミスファイアリングシステムは機能していませんので何の役にも立っていません。

実はこのリードバルブが破損することでミスファイアリングシステムを使っていない場合でもトラブルが発生します。

症状としてはブースト圧が上がらない、まったくかからないといったもので、NAエンジンになったかのようなパワーの無さを感じます。

リードバルブが吸気側のパイプにつけられているのですが、内部に水分がつきやすくその水分によって金属製のパイプ部分がさびてしまい、そしてその錆が進行すると振動などでパイプがちぎれてしまうのです。

そのちぎれたところから二次エアー吸うのと共にターボチャージャーによって圧縮された吸気が逃げてしまうのでブースト圧が上がらないということになってしまうのです。

修理はリードバルブを交換します。
部品代は約22000円とかなり高価、そして工賃が5000円ぐらいかかります。

 

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AWCポンプの破損

ランサーエボリューションIXには走行性能を高めるための特別な装備が付けられています。

1つはAYC、アクティブヨーコントロールと呼ばれるものです。

この構造はそんなの通り、能動的に車体にヨー方向の力を加えるというもので、曲がりにくい4WDモデルの欠点を克服するためにつけられています。

ヨー方向とは車体を左右に曲げる方向のことで、通常はフロントタイヤの向きを変えて、それによって車体のフロントが頭を振る形になることで得るものですが、それよりももっと回頭性をよくするために左右のリヤタイヤのトラクションの差、回転数の差を使って車体全体を曲げようとする方向に力を加えるわけです。

分かりやすく言えば車いすの操作です。

車いすに座って右に曲がりたい時は左のタイヤの方を速く回したり、右のタイヤを止めて、左右のタイヤに回転差をつけますが、これと同じことをリアアクスルにあるリヤデファレンシャルギヤ内のAYCユニットで行っています。

そしてもう1つがACD、アクティブセンターデフと呼ばれるものです。

ACDはスポーツ4WDシステムならでは装備、センターデフの結束力を調整するもので、ターマック、グラベル、スノーの3つのモードから選ぶことができます。

これは4WDならではの特徴である前後でのトルク配分によって車の曲がり方が違うという点に着目して、求められるコーナーリング性能とトラクション性能にあわせてセンターデフがどれだけリヤタイヤにトラクションを伝えるのかということを調整しています。

この2つの装備によって高いトラクション性能、優れたコーナーリング性能を持つことができたわけですが、この2つの機能をはたしているのはAWCポンプと呼ばれる油圧ポンプで作られた油圧です。

しかし残念なことにこのAWCポンプは車体に下につけられていて、タイヤがまきあげた雨や雪、凍結防止剤、ゴミ、チリなどをまともに受けてしまい、それによって表面だけでなく、内部まで腐食させてしまうのです。

この部分が腐食してしまって機能を失うとAYCもACDも機能することができなくなりますので、ランサーエボリューションらしい走りができなくなってしまいます。

このトラブルは三菱でも承知のことで過去に保証期間の延長がされたことがあるのですが、ランサーエボリューションIXでは全てのモデルがその期間を過ぎているので、この部分が故障した場合は実費での修理となります。

AWCポンプやAWCユニットの交換でだいたい30万円ぐらいの費用が掛かることでしょう。

 

ランサーエボリューション定番トラブルの冷却水漏れ

ランサーエボリューションIXで定番中の定番トラブルとなっているのがこの冷却水漏れです。

ランサーエボリューションは、2リッターという比較的小さなエンジンの大きめのターボチャージャーを搭載してハイパワーモデルですが、そこまでのパワーを出すとなるとやはり発熱量が尋常ではなく、ある意味で熱との戦いともいえるでしょう。

そのため、冷却性能にもかなり力を入れており、大型のラジエーターやインタークーラー、オイルクーラーなどを備えています。

しかし、現実的にはそれだけの装備で確実にコントロールできているかといったらそれは嘘で、熱によるいろいろなトラブルが起きていることも事実です。

その1つがラジエーターから冷却水漏れです。

ランサーエボリューションのラジエーターはコスト削減のためアッパータンク、コア、ロアタンクの結合にカシメという方法を使っています。

早い話、各部品をはめ込んだ状態にして金属の爪で固定しているといった具合です。

実はこのカシメの部分が熱によって劣化しやすくカシメている力が弱くなってしまい、そこから冷却水が漏れてきてしまうのです。

ここからの漏れは悲しいことにアイドリング状態では漏れてこず、エンジン回転数を上げて水圧が増した時にだけ漏れてくるので、ボンネットフード開けて点検しても漏れているところを見ることができません。

それによって発見が遅れることがあり、冷却水の警告灯やリザーバータンクの減り具合を見てはじめって気が付くといったことが多いようです。

修理はラジエーターを交換します。
費用は、純正新品部品を使って約12万円ぐらい、リビルトパーツを使って約8万円ぐらい、社外品を使って3万円ぐらいとなります。

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