DPR異常でエンジンチェックランプ点灯
日野自動車ではなく、トヨタ名義で発売されている商用モデルのトヨエースですが、このモデルの中身は日野自動車のデュトロと同じものが使われており、トヨタが作る小型商用車というよりはトラックメーカーが作る小型モデルと見るべきでしょう。
ですので、エンジンも静寂性を狙ったガソリンエンジンではなくディーゼルエンジンがメインとなりますが、ディーゼルエンジンとなると気になるのが排気ガスの問題です。
ディーゼルエンジンにおいても排ガス規制が厳しい日本では、ディーゼルエンジン特有のカーボンたっぷりの排気ガスをどうにかしなければ公道を走ることができません。
そこで各自動車メーカーはDPFとかDPRなどといったディーゼルエンジン専用の排気ガスのフィルターを付けているのです。
トヨタ系の自動車メーカーではDPRと呼びますが、このDPRはエンジンをかけている間はずっと排気ガスを受けていることになり、常にDPR内にカーボンがたまっていくことになるわけですが、そのままですといつしか詰まってしまいますので自動的に内部のカーボンを取り除く作業が行われるような仕組みになっています。
トヨエースではDPR内にある電気ヒーターでフィルターに付いたカーボンを再度燃焼させて取り除くという手段を使っていますが、インパネにあるスイッチで手動で行うことができます。
しかし、負荷のかかる運転ばかりをしていたり、短距離だけ乗ってすぐにエンジンを止めてしまうなどといった乗り方をしてしまうと自動的に行われる作業が行われなかったり、行われていてもそれが追いつかな語ったりすることがあるのです。
そうなるとどうなるかというとエンジンのまわりが悪くなったり、パワーが出なかったり、燃費が悪くなったりするのと同時にDPR警告灯、エンジン警告灯が点灯することになります。
この症状は明らかにDPRが詰まっている時の症状ですので、直すにはまず手動でDPRのクリーニングを行います。
この段階で症状が無くなれば、あとは運転方法だけ気を付けてそのまま乗り続けてもいいかと思いますが、これでも症状が緩和されない、あるいは頻発するということであれば、修理を行わなければなりません。
修理としてはマニュアルで強制クリーニングを行います。
だいたいの場合、これで何とか直すことができますがこれでもダメな場合はDPRを交換することになります。
費用としては強制クリーニングだけで1万円ぐらい、DPRの交換で約30万円ぐらいかかりますが、トラブルが多いためこの部分の保証が延長されていますので、保証期間内であればすべて無償修理となります。
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EGRの詰まりでエンジン不調
ディーゼルエンジンの最大のデメリットはあの排気ガス、真っ黒で臭い排気ガスはいくらクリーンディーゼルエンジンとかDPRがついているからといっても完全には防げません。
しかし、日本国内で新しい自動車を作り、それを販売して儲けを出すためには法律を守らなければなりません。
厳密に言えば法律ではありませんが、自動車には排気ガス規制というものがあり、それをクリアしていなければ公道を走る市販車として売ることができません。
もともと排気ガスに憂いを持つディーゼルエンジンでは他のことはさておきにしてもまずは排気ガス規制をクリアしなければならず、そこでいろいろな排気ガス規制対策装備が考えられるわけです。
その1つがEGRという仕組み、これはディーゼルエンジンだけでなく、ガソリンエンジンにも採用されているものですが、要するに排気ガスをもう一度取り込んでもう一回燃焼させてしまいましょうというものです。
エンジンの排気ガスには軽油と空気の混ざった混合気を燃やした時のガス、煙が主成分ですが、その中にわずかに燃焼されなかった燃料が含まれています。
ディーゼルエンジンですと軽油ということになりますが、ディーゼルエンジンは特にスパークプラグが付いておらず、混合気全てを燃焼することが難しい構造であるため、排気ガスとして吐き出されるものなかに燃えていない軽油が混ざってしまうわけです。
通称、「生ガス」などといいますが、その生ガスは非常に有害で、それを大気に待ち散らすことは健康被害などを引き起こす可能性が高いのです。
残念ながら生ガスは触媒やDPRなどで完全の取ることができませんので、他の手段を講じなければならないのです。
そこで使われているのがEGRというもので、排気系の一部に付けられているEGRバルブで量を調整しながら生ガス入りの排気ガスをもう一度吸気系に戻し、新しい混合気と共に燃焼行程を受けさせようという仕組みが取られるようなりました。
一度で燃えなければ二度燃やそう・・・こんな考えで作られたのがEGRです。
しかしこのEGR、排気ガスを扱う仕組みであることからディーゼルエンジン特有のカーボンたっぷりの排気ガスの影響を強く受けてしまいます。
特に可動部分であるEGRバルブは排気ガス内のカーボンがたまりやすいところで、この部分が詰まってしまうと新しい空気の吸気量が少なくなってしまったり、新しい空気と排気ガスの混合比が変わってしまったりすることがあり、それによってエンジンの不良を発生させることになるのです。
症状としてはエンジンの回転が重い、パワーが出ない、高回転まで回らない、排気ガスがより一層黒くて臭いなどといったものです。
修理は程度に応じてEGRバルブのクリーニングや交換を行います。
この部分は保証期間が延長されていることからほとんどの場合、無償修理となりますが、保障が使えない場合は15000円から6万円ぐらいの費用が掛かってしまいます。
ターボチャージャーの故障
トヨエースの一部のモデルにはN04C-TD型というエンジンが搭載されているものがありますが、このエンジンはインタークーラー付のターボエンジンです。
ターボエンジンは排気ガスの力でタービンブレードを回し、そのまわったブレードの同軸上にあるコンプレッサーブレードを回すことで強制的にたくさんの大気を吸わせて、それに見合った軽油を噴射することでエンジン排気量以上のパワーを稼ぐことができるものですが、その際に重要となってくるのが過給圧というものです。
ブースト圧ともいいますが、吸気を押し込んだ時の圧力のことでこれが高ければ高いほどパワーを出すことができます。
しかし、あまりにも高すぎるとエンジンが耐えられなくなってしまいエンジンブローを起こしてしまうのでタービン側に排気ガスのバイパス経路を作って、過給圧に応じて開閉するアクチュエーターで管理をしています。
このエンジンのターボチャージャーは過給圧の管理をアクチュエーターではなく、電気モーターで行うようになっており、より細かい制御をすることができるようになっているのですが何しろ排気ガスが通る部分であるため熱の影響を強く受けるため、電子部品である電気モーターやそれを作動させる電気回路がその熱でやられてしまい、機能しなくなる場合があります。
そうなるとエンジンチェックランプが点灯し、エンジンは無過給状態になることでパワーダウンを引き起こします。
修理は可変ノズルターボコントロールアクチュエータという電子部品を交換することで行うのですが、残念なことにその部分だけの交換ができないため、ターボチャージャーごとそっくり交換することになります。
費用は部品代だけで30万円ぐらい、これに交換工賃が2万円ぐらい追加されます。
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