ベルト鳴きがひどい
ムーヴコンテはムーヴの派生モデルで、ムーヴとは違うデザイン傾向を持たせた車ですが、中身は2010年まで作られていた4代目むーヴとまったく同じものです。
当然ながら搭載されているエンジンもKF型ということ全く同じでものですので、初期のころのKFエンジンのトラブル事例もそっくりそのまま受け継いでいます。
その1つがベルト鳴きです。
エンジンにはクランクシャフトの回転を利用して動くものがたくさんつけられています。
発電機のオルタネーター、冷却水の循環をもたらすウォーターポンプ、エアコンコンプレッサー、車によってはパワーステアリングポンプといったものですが、これらはクランクシャフトにつけられたクランクプーリーと各補機類につけられているプーリーの間を結んだVベルトによって回されるようになっていて、これがなければ正常なエンジンサイクルを行うことができません。
いうなればVベルトはエンジンにとって車にとってなくてはならないものということなのですがダイハツのKFエンジンに付けられているVベルトはこのムーヴコンテに限らずすべてのKF型エンジン搭載車においてベルト鳴きがよくすることで有名です。
ベルト鳴きは、Vベルトのテンションが極端に緩かったりきつかったりした時、あるいは切れそうな時、何かしらの原因でベルトに必要以上の力が加わってVベルトがプーリーの上を滑ったりする時にキューとかキュルキュルといった独特な音を立てます。
この音が聞こえた時はVベルトやプーリー、そしてそのプーリーが付けられている補機類に何か起こっていると判断することができるわけですがKF型エンジンでは特に何も起きていなくてもベルト鳴きを発生させることがあります。
そうなる原因はVベルトの質の悪さ、ダイハツでは標準装備のVベルトの多くを中国製としています。
中国製はどんなものでも国民性の違いからか日本製のものよりもかなり品質が低いものが多いわけですが、それを知ったうえで生産コストを下げるためにあえてそういったものを選んでエンジンの重要なところに使っています。
質が悪いといってもすぐに切れてしまうというようなことではなく、伸びが激しいのと温度による伸び縮みが大きいという性質を持っているということです。
Vベルトはエンジンの設計をする時点から使い続けていくことで伸びることが想定されており、そういった性質にあわせてベルトテンショナーというベルトの張りを調整する機能が付けられています。
Vベルトには規定となるベルトの張りというものがあって、かけてあるベルトを指で押してどれくらいのたわみがあるのかということを見て、それが規定値に収まるようにベルトテンショナーで張りを与えます。
これによったベルトの張りすぎや緩みすぎということがなくなるわけですが、先ほども言いました通りベルトには伸びがあるので定期的にチェックをして張りの調整をしなければならないのです。
ただ、頻繁に伸びるようなものではなく、通常であれば数年間、数万キロの間は一切調整しないで済むぐらいなのですが、KF型エンジンに使われている中国製のベルトは距離にして3000km、年月にして3か月ぐらいで伸びてしまうこともあって、その緩みに気が付かず張りの調整を怠ることでベルト鳴きが発生してしまいます。
それからエンジンが冷えている時とエンジンを止めた直後で大幅にベルトの長さが変わってしまっているのでどのタイミングでベルトの張りの調整をするのかによってもトータルでのベルトの張りがどうなっているのかというのが変わってきてしまいます。
温まっている時に調整してしまえば、エンジンが冷えた時に各プーリーに負担を掛けてしまいますし、逆に完全に冷えている時に調整してしまうとエンジンが温まったときにベルトがゆるゆるになってしまい、外れる可能性が出てきます。
ベルト鳴きがひどくなったらとりあえずベルトの張りを調整しますが、補機類に何のトラブルもなく、ベルトの伸びが激しい時は切れていなくてもベルトを交換するといいかもしれません。
ただそこで純正のベルトに交換してしまうとまた同じ中国製となってしまうので、ここは中国製でないことを確認したうえで社外品を購入してそれに付け替えるという手段を使うといいかと思います。
費用としてはベルト自体はセットで2000円ぐらいで手に入れることができます。
交換工賃はだいたい5000円ぐらいかかるでしょう。
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KF型エンジン定番のオイル漏れ
ダイハツのKF型エンジンといえばエンジンオイル漏れといっていいぐらいエンジンオイル漏れが頻発しています。
漏れる場所はいろいろな場所となりますが、一番多いのがシリンダーヘッドカバーとシリンダーヘッドの間からのエンジンオイル漏れです。
シリンダーヘッドカバーはシリンダーヘッドの単なる蓋であるため、この部品自体はエンジンとして見るとたいした機能は持っていません。
シリンダーヘッド内にあるエンジンオイルがカムシャフトやバルブの動きでまき散らされてしまうの防ぐための蓋でしかありません。
しかし、そこからエンジンオイルが漏れてしまうということで二次被害的なものがあってそちらの方が気になるものです。
1つはエンジンオイル漏れがあるわけですからエンジン内に入っていなければならない量より少なくなってしまうということ、これはエンジンにとって致命的なものであって、エンジン内を潤滑・冷却・洗浄するためのエンジンオイルが少なくなってしまうということは熱によるエンジンの焼き付き、エンジン内の汚れの増加などを引き起こしてしまい、最悪エンジンの載せ替えやオーバーホールをしなければならない状態となってしまうでしょう。
そしてもう1つ、これは特に多い症状なのですが、スパークプラグの失火です。
シリンダーヘッドカバーとシリンダーヘッドの間からのエンジンオイルが漏れて外側にエンジンオイルが出てきてしまうのであれば、スパークプラグをねじ込むためにあけられているプラグホールからの漏れているということです。
プラグホールは構造的にコップのように形をしているため、そこからエンジンオイルが漏れてしまうと少しずつ溜まっていき、スパークプラグやダイレクトイグニッションコイルをオイルまみれにしてしまうのです。
そのオイルに点火のための電気が流れてしまうことでスパークプラグまで電気が届かなくなってしまったり、電子機器であるダイレクトイグニッションコイルを壊してしまうことがあり、失火を起こしてしまうのです。
失火を起こせばたった3つしかないシリンダーですからまともに動くわけがありません。
修理はヘッドカバーパッキンとプラグホールパッキンの交換と症状に合わせてスパークプラグやダイレクトイグニッションコイルの交換をします。
費用は、ヘッドカバーパッキンとプラグホールパッキンの交換が工賃込みでだいたい15000円ぐらい、スパークプラグが1本2000円ぐらい、ダイレクトイグニッションコイルが1つあたり約8000円、社外品で5000円ぐらいといった感じです。
冬場の結露でブロアファンが止まらなくなる
冬になると必ず1台は修理に持ち込まれるムーヴコンテのトラブルにブロアファンが止まらないというものがあります。
ブロアファンはエアコンの風を作る扇風機でオートエアコンであれば自動的にマニュアルエアコンであれば風量調整ノブでオンオフや風量調整をすることができるものですが、それとは一切関係なくブロアファンが全開で回り続ける・・・それもイグニッションを入れたとたんに風が出るものですからバッテリーに負担を掛けてしまってバッテリー上がりになることもしばしばです。
原因はルーフパネルの裏に付く結露の露がピラーを伝ってヒューズブロックに流れ込むことで、露の水分がヒューズブロックを腐食させてしまい、ファンリレーを差し込むところの端子をショートさせてしまい常にブロアファンに電気が流れてしまっているのです。
直接的な原因は結露の水分ですが、それをヒューズブロックにまで導いたのは設計ミスです。
仕様ですの根本的な修理はできませんが、ヒューズブロックの交換で直すことができます。
修理費用は部品代と工賃込みで3万円から5万円といった程度になるでしょう。
車の買い替えや処分を考える時は、あらかじめ自車の査定を忘れずに👇👇👇