冬場のアイドリング不安定
対プリウスのモデルとしてホンダから発売されたインサイト、プリウスほど売れずはっきり言えば失敗作で終わってしまったモデルですので現存する台数も少なく、トラブル事例も割かし少ないように思えます。
ただ全くないということではなく、このようにかなり不思議なトラブルが出ています。
症状としては気温が低くなる冬場、それも朝一番といったような車がキンキンに冷やされている時などに起こるアイドリング不安定です。
エンジンは何事もなく掛かるのですが、暖機運転をしたのち、水温も適切な温度になった途端にアイドリングがハンチングをはじめ、低い時では500rpm、高い時では2000rpmになってしまいます。
この回転数を一定間隔で行ったり来たりすることがずっと続き、時々ノッキングもしますが、走りだしてしばらくするとそれが落ち着くというちょっと変わった症状付きです。
冷えている時にエンジンの回転数が不安定になるという症状はO2センサーが故障した時によく出る症状です。
O2センサーは触媒の近くの排気管の付けられるもので、排気ガス内の酸素量を測っています。
排気ガス内の酸素量を測ることでエンジンの現在に燃焼状態を知ることができ、その状態を見ながら燃料噴射量を調整したり、燃料噴射をするタイミングを調整したり、点火時期を調整したりして正常な燃焼状態になるようにします。
そのためのデータ取りとしてO2センサーが付けられているのですが、このO2センサー、実はかなりの寒がりでセンサーの端子が600度ぐらいにならないと正確なデータを送ることができないのです。
走りはじめてエンジンの温度も冷却水の温度も排気ガスの温度も高くなればいいのですが冷間時ともなるとそこまで排気ガスの温度も高くなっていませんので正確なデータをとるためには何かで温めなければなりません。
そこでO2センサーに電熱ヒーターをつけることになったのです。
排気ガスの温度が低い時はこの電気ヒーターでセンサーを温めて、きちんとしたデータを送ることができるようにしたわけですが、実はこのヒーターはかなりの高い確率で壊れることがわかっています。
今回のようなトラブルの時は真っ先に疑われる部分ですが、ダイアグを見てもエラーコードが返ってきませんのでどうやらO2センサーが悪いわけではないようです。
原因はECU内の制御プログラムのバグでした。
修理は制御プログラムの書き換えだけで終わりますし、費用もクレーム処理ということで無償となります。
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アイドリング不安定と「エンジンシステム点検」の表示
インサイトにはLDA型エンジン、LEA型エンジンという2つのエンジンが用意されていますが、どちらのエンジンにおいても非常に多く出ているトラブルがあります。
それがオイル上りです。
この症状は同じエンジンを使っているフィットシリーズやCR-Zなどでも頻繁出ているようですが、症状としては、だんだんアイドリングが不安定になっていき、しまいにはアイドリングの回転数を保つことできず、補正が入って何とかエンストは免れるといった状態が続きます。
そして極め付けがマルチインフォメーションディスプレイに「エンジンシステム点検」といった警告が表示されると居たものです。
この段階にまでなるとアイドリングの不安定ばかりか、走っている時も元気がなく、加速が悪かったり、加速の途中で息継ぎをしたり、そしてルームミラーで後ろを見ると真っ白は排気ガスが出ているところも確認できるぐらいになります。
排気ガスが真っ白くなっているということはエンジンオイルも一緒に燃焼されているという証拠で、その時点でオイル上りかオイル下がりが疑われますが、走行中に白煙が一番濃いことから想定するとオイル下がりではなくオイル上りであると判断することができるでしょう。
オイル上りは主にピストンリングの不具合によって起こることが多く、ピストンが上がった時にシリンダー内壁に付着したエンジンオイルをピストンリングが何かしらの原因で掻きとることができずシリンダー内壁に残り、それがピストンの上昇の際に混合気に混ざることで燃焼されてしまうというものです。
混ざるエンジンオイルの量がわずかであればそれほど強い症状を出すことはないですが、インサイトに出るようなオイルリングの目詰まりによるオイル上りといって場合はかなりの量が混ざってしまうため、燃焼状態の悪さを作ったり、エンジンオイルが燃えることで発生する大量のスラッジによって広い範囲に悪さをするようになります。
ここまでの症状となると修理をするためにエンジンを分解してピストンやピストンリングを取り外そうとしてもピストンとピストンリングが完全に固着してしまい取れなくなっています。
修理はピストンとピストンリングを対策品に交換します。
修理費用は部品代工賃含めてだいたい14万円ぐらいかかるようです。
EGRバルブの詰まり
インサイトはエコカーとしてプリウスに対抗するべく作られたモデルです。
そのため、燃費性能の向上と排気ガスの清浄化には力を入れて作られているわけですが、排気ガスの清浄化に関しては当時としても特に目新しい装備や技術などは採用されておらず、従来のものを改良させたものが付けられるにとどまっています。
その1つがEGR機能です。
EGR機能とは単純にいえば排気ガスを吸気側に戻すことで、排気ガス内に含まれている未燃焼ガスを燃やすための技術です。
エンジンが排出する排気ガスは燃焼室でガソリンと空気で構成された混合気の燃えカスとして排気ポートから出されるものですが、エンジンの燃焼状態によって燃やすことができなかったガソリンが残ることがあります。
それを未燃焼ガスとか生ガスといったりしますが、その未燃焼ガスは人間や動物、植物にとって非常に有害なもので、それをそのまま大気に放出することができないのです。
そこで排気ガスの一部を吸気側に戻して新しい混合気と一緒に再度燃焼させることで、なるべく大気中に未燃焼ガスを出さないようにしたわけです。
排気ガスは排気管の途中にあるEGRバルブによって吸気側の戻す量とタイミングを制御しています。
インサイトではそれをソレノイドバルブで行っているのですが、実はそのEGRバルブの動きが悪くなることで正常なEGR制御ができなくなってしまうことがあるのです。
EGRバルブの動きが悪くなってしまう原因はスラッジが大量に蓄積することで、蓄積することでポートが詰まってしまうのではなく、スラッジによってバルブを閉めた時に完全に締めることができなくなることで起こります。
症状としては高負荷時の加速不足やガクガクした走りになるといったものです。
EGRバルブはエンジンにパワーが必要な時、負荷が高い時にはバルブを閉じて排気ガスが吸気側にまわらないようにしてエンジンがパワーを出せるようにします。
逆に定速走行などといったエンジンに負荷がほとんどかかっていない時にバルブを大きく開いて大量の排気ガスを吸気側に戻そうとする制御を行います。
バルブが閉じきれないということはパワーが欲しい時に排気ガスが回ってしまい燃焼状態が悪くなってしまうということです。
修理はEGRバルブを交換します。
費用は部品代がだいたい13000円ぐらい、交換工賃が1万円ぐらいとなります。
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