トヨタ 車種別故障事例

プリウスPHVでよくある故障と修理費用

ハイブリッドシステムの故障

プリウスPHVはプリウスをベースにして作られたプラグインハイブリッドモデル、要するに既存のハイブリッドシステムに外部電源からの充電能力を持たした車で、そのほとんどをハイブリッドモデルのプリウスと同じとします。

もちろんこの車の基礎となるハイブリッドシステムもTHS-IIと全く同じですので、プリウス同様にハイブリッドシステムのトラブルが多発しています。

ただたぶん一般の方はTHS-IIの故障が多発していることなど知らないでしょう。

明らかな故障に関しても何十万円もの修理費用が実費でかかるようであれば、たぶんもっと世の中にそういった情報が出回り、THS-IIの故障の頻度が高いことが知られていることになると思うのですが、うまいことに新車保証が長く設定されていて修理費用が無償であることからあまり文句を行く方がおらず、悪い情報が流れにくい状態が出来上がっているのです。

さすがトヨタです。

このプリウスPHVでもハイブリッドシステムの根幹となる部分でたくさんの故障が起きています。

一番多いのがバッテリーです。

プリウスPHVには初代モデルからリチウムイオンバッテリーが採用されていて、先代プリウスのようなニッケル水素バッテリーならではの強いメモリー効果によるトラブルはないかと思われたのですが、メモリー効果が比較的弱いリチウムイオンバッテリーでも同じようなトラブルが起きているということはバッテリーそのものにも問題はありますが、それ以前にTHS-II全体の問題であるようです。

それなら納得がいきます、もともとのシステムの設計が悪いのであれば、それがニッケル水素バッテリーだろうがリチウムイオンバッテリーだろうが関係なく同じ症状が出るわけです。

その症状というのはこういったもの、満タンまで充電したはずなのにバッテリーがすぐになくなってしまうとか、バッテリーが少なくなっていたので自宅ガレージで充電したが一晩充電しても満タンにならないといった充放電に関わるものです。それからこれは、プラグインハイブリッドモデルならではのトラブルで自宅で充電している時に、特に屋内配線では問題がなく、ブレーカーの容量も十分であるのにもかかわらず、プリウスPHVを充電しているとブレーカーが落ちるというものなどがあります。

それからインバーターのトラブルも相変わらず出ているようで、電流を変換する時に出る熱が異常に高くなり、安全機能が働いいてハイブリッドシステムすべての機能が止まってしまうというものです。

どれもはっきりいって表に出ていないトラブルですので知らない方もいることでしょう。

修理に関してはバッテリーやインバーター、その他ハイブリッドシステムに関わる部分に対しては5年以下10万キロ以下であれば新車保証で無償修理そして隠蔽、保証期間が切れている、保証条件から外れてしまっている場合は最大で60万円ぐらいの修理費用が取られます。

一方、家庭で充電した時のトラブルは・・・電気工事や電力会社にトラブルの責任を丸投げしていますので、直すとすればすべて実費となるでしょう。

 

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ボディがギシギシいう

プリウスPHVは、コスト削減のために鋼材の質を落として作られたプリウス、フレームやボディに使われる鋼板の厚みを薄くされたプリウスと全く同じボディ、フレームを使って作られている車ですので、停止している状態でもギリギリのボディ剛性しか持っていません。

特にプリウスPHVではプリウスより大きなバッテリーや外部充電機能を果たすために部品が追加されているので余計にボディ剛性が足りなくなり、走行距離が延びるのに並行して様々なトラブルが出始めます。

勘違いしてほしくないのは著しく低下しているのでボディの強度ではなくボディ剛性です。

ボディの強さではなく、一時的に変形したボディが如何に戻るのか、如何に変形しないのかという剛性感のことです。

さてこのボディ剛性が低くなるとどうなるかというと一つは走行性能の悪化、そしてもう一つは異音の発生です。

ボディ剛性が低いということはボディがゆがんだままになってしまうということで設計段階で決められた位置にタイヤが置かれなくなってしまうということ、路面からの突き上げや段差ののりあげ、急ブレーキによる強い縦G、無理なコーナーリングによる強い横Gなどでボディがだんだん歪んでいってしまいタイヤの位置が数センチもずれてしまうのです。

タイヤの位置や角度というのは数ミリ狂っただけで実際に運転に大きな変化をもたらします。

ステアリングホイールを中立に固定していても右や左に寄ってしまったり、右折と左折とで感覚が全く違ったり、常に修正をしないとまっすぐ走れないとか、轍にやたらとタイヤが取られるといったちょっとヒヤッとすることになります。

これはタイヤの位置がこの車をまともに走らせる一からずれているからこうなるのです。

もう1つ異音ですが、これはいろいろな部品が取り付けられる土台となるボディがゆがむために部品が正常な位置に取り付けられず、ずれてしまったり浮いてしまったり、無理してついている状態になってしまうことから路面からの突き上げなどでボディが一時的に変形した時にそれらのものが干渉しあっていろいろな音を立てるようになります。

プリウスPHVではセンターコンソールからのキシキシといった音がよく出ます。

この音はセンターコンソール内にあるソーラーシステム用のバッテリーカバーがこすれる音で、これもボディの変形が原因です。

走行性能の悪化にしても異音の発生にしても原因がすべてボディ剛性の弱さですのでこれを直すことはできません。

それこそトヨタのお偉方にあって、「これ以上ケチケチしたことはしないでください」とお願いして、新しいモデルを買うしかないでしょう。

異音に関してだけはそれぞれの音の発生源にスポンジを挟んだり、付ける位置を調整するなど原因を取り去るのではなく、対処療法で直すことができます。

その際の修理費用はうまくすればクレーム処理で無料で直すことができるかもしれません。

 

プリウスシリーズ共通のトラブル

プリウスPHVのみならず、プリウスシリーズには2ZR-FXE型エンジンが搭載されています。

このエンジンは低燃費型エンジンで疑似的なアトキンソンサイクルとなるミラーサイクルで、混合気もかなり希薄なものを使うようににあっており、エンジン単体でもかなり燃費がよくなります。

しかし、あまりにも希薄燃料を使った燃焼をしているためスラッジの発生が多くなり、それがEGRバルブや吸気側にリバースする形で付着してエンジンの調子を壊すことがあります。

特にEGRバルブのスラッジによる故障は既に保証期間の延長がされ。EGRバルブの交換は無償修理となっているようです。

保証期間が延長されるということはそれだけ修理事例が多いということを意味しますので、他の部分にもスラッジの影響が多分に出ることが想定できると思います。

ちなみにスラッジによる吸気系の詰まりなどは補償対象外となることが多く、シリンダーヘッドを開けてクリーニングを行う場合はだいたい5万円ぐらいの修理費用が掛かります。


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